「SurePress L-4033A」。本体の大きさは、幅3730×奥行き1450×高さ1880mm。
「SurePress L-4033A」。本体の大きさは、幅3730×奥行き1450×高さ1880mm。
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「産業用、商業用に積極的に製品を投入していく」と話す、情報画像事業本部の三村副事業本部長
「産業用、商業用に積極的に製品を投入していく」と話す、情報画像事業本部の三村副事業本部長
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 セイコーエプソンは2010年6月30日、産業用のラベルプリンター「SurePress L-4033A」を、2010年10月に発売すると発表した。同社のインクジェット技術を活用し、画質の高い印刷を低コストでできることなどを利点とする。同社は今後、「エプソンの強みを生かして、商業用・産業用に積極的に製品を投入していく」(情報画像事業本部 副事業本部長 三村孝雄氏)計画という。

 SurePress L-4033Aは、商品のラベル印刷のための製品。家庭用のインクジェットプリンターにも採用しているピエゾ方式の印刷ヘッドを産業用に改良し、印刷速度を高めた。インクも新開発し、インクジェット対応ではない用紙やフィルムなどへの印刷も可能にした。一般的なインク色であるCMYK(シアン、マゼンタ、イエロー、黒)に加えてオレンジとグリーンのインクも用意し、表現できる色の領域を広げた。

 ラベル印刷の現状の主流は、アナログ印刷。色の調整や版の交換など印刷の作業に多くの手間がかかり、5000枚以下のような小ロットの印刷を、低コスト・短納期で実現するのは難しいという。SurePress L-4033Aは、印刷品質が安定していること、パソコンから直接データを印刷できることなどから、作業効率を向上できるとしている。

 本体価格はオープンで、予想実勢価格は2500万~3000万円。今後3年間で、100台の販売を目標とする。

 同社は従来、写真のような鑑賞物や印刷校正などの分野を得意としてきた。今後はラベルや図面、地図、掲示物のような領域の事業を拡大していく計画という。インクに熱を加えて気化させるサーマル(バブルジェット)方式と比べて、ピエゾ方式は多様なインクを打ち出せるという点も、その際の大きな強みになるとしている。