画面●JP1/IT Resource Managementの管理画面
画面●JP1/IT Resource Managementの管理画面
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 日立製作所は6月28日、運用管理ソフトの新版、「JP1 9.1」を発表した。6月29日から販売を開始する。新版では、異なるOSや仮想化ソフトが混在する複数サーバー環境への仮想マシンの割り当てを一元管理する「JP1/IT Resource Management」を新たに投入。プライベートクラウド環境の構築と運用を効率化する。

 JP1/IT Resource Managementでは、複数のサーバーからなるリソースプールに対して、仮想マシンを割り当てて管理する。具体的には、仮想マシンを割り当てるための空きリソースの検索、リソースの予約、サーバー配備、使用実績の確認や見直しといった機能を利用して、リソースの効率的な活用と管理負荷の軽減を図る(画面)。

 利用したいOSの種類やCPU、メモリー、ハードディスクのスペックなどを入力すると、リソースプールとして登録された社内のサーバーから、仮想マシンを配置可能な物理サーバーを見つけ出す。見つかった候補のサーバーから、仮想マシンを構築するサーバーを選択して仮想マシンの割り当てを予約する。構築した仮想マシンの起動や停止、削除などの操作を行うことも可能だ。

 管理対象となるサーバーや仮想マシンは、異なるOSや仮想化ソフトに対応する。日立製作所の尾関嘉一郎氏(システム管理ソフトウェア本部 第1JP1設計部 主任技師)は、「OSや仮想化ソフトごとに専用のツールを使わずに混在環境を一元管理できるので、管理者の負担を軽減できる。サーバー数が10台程度とそれほど多くない環境でも、効果は実感できるはずだ」と話す。サーバーのOSはWindows Server 2003/2008、HP-UX、Linuxに対応。今後はHP-UX以外のUNIXにも対応する予定だ。仮想化ソフト/仮想化機構は、ヴイエムウェアのVMware ESX、マイクロソフトのHyper-V、日立のVirtageに対応する。

 JP1/IT Resource Managementの価格は15万7500円から。9月30日から出荷する。そのほかJP1 9.1では、システム構成を自動的に検出して可視化し、構成変更時の影響範囲を事前に把握できる「JP1/Integrated Management-Universal CMDB Advanced Edition」(504万円から、出荷は6月30日)、Hyper-V環境の仮想マシン管理を効率化する「JP1/Integrated Management-System Center Virtual Machine Manager」(15万7500円から、同)も新たに投入した。