Androidアプリケーションのコンテスト「Android Application Award(A3) 2010 Spring」の表彰式が、2010年6月24日、都内で開催された。約340件の応募の中から17作品(最終ノミネート作品一覧)が最終選考に残り、8作品が大賞、優秀賞などを受賞した。
Android搭載スマートフォンの技術的な可能性を引き出した作品、そして人々のライフスタイルを変える可能性を秘めた作品が高く評価された。スマートフォンは、IT(情報技術)の最先端であると同時に、ITがライフスタイルを変える動きの最前線でもある。そのことが実感できる内容となった。
グローバル賞に「PICT RHYTHM」、“クリエイターの楽しさ”を提供
世界での活躍が期待できる作品に与えられるグローバル賞は、テックファームが開発した「PICT RHYTHM」が受賞した。好みの画像を組み合わせ、音楽と共に再生できるビデオ・ジョッキー(VJ)アプリである。
審査員のソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ 営業本部 マーケティング部 統括部長 小林弘明氏と共に選考を担当したソニー・エリクソンのAbbas Sumar氏は「直感的かつ独創的な、音楽と映像の仕組みを提供し、我々自身が制作者になったかのような楽しみを提供してくれる。(今回のアワードのターゲット機である)Xperiaの大画面と高速CPUを生かしており、よく設計されたUI(ユーザー・インタフェース)を備えている」と「PICT RHYTHM」を評した。
Sumar氏は「イノベーションはソニー・エリクソンのような大企業だけでなく、小企業や個人からも生まれてきている」と述べ、開発者の一層の広がりへの期待を表明した。
学生賞に「通話履歴カレンダー」、カレンダー画面で履歴を一覧
学生賞は、筑波大学大学院に在学中のJoão Orui氏が開発した「通話履歴カレンダー」が受賞した。
Android上に記録された通話履歴がスマートフォンのカレンダー上に表示する。いつ通話したのかを、カレンダー上で一目で見ることができる。「通話履歴カレンダー」をインストールする以前の履歴も表示される。
特別審査員として学生賞を選考した放送作家・脚本家の小山薫堂氏はビデオメッセージで登場し「短期間でクオリティの高い作品が集まったことに驚いた」とコメント。小山氏は東北芸術工科大学デザイン工学部企画構想学科の学科長という顔も持つ。大学での教育経験も踏まえ「自分はどういうサービスを使ってみたいか、という視点で企画を立てると、さらに面白いものが生まれてくる」とアドバイスした。
受賞のコメントを求められたOrui氏は「これからも、たくさんAndroidアプリを作って行きたい」と抱負を語った。