写真●富士通ネットワークソリューションズが展示している農場監視システム
写真●富士通ネットワークソリューションズが展示している農場監視システム
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 2010年6月24日から26日まで池袋サンシャインシティで開催されている「ケーブルテレビショー2010」では、ケーブルテレビ事業者が手がけることが多い地域WiMAX向けの製品が出展されている。地域WiMAXの基地局装置やパソコンに取り付ける通信端末などハードウエアの展示が多かった昨年のケーブルテレビショー2009に比べて、今年は地域WiMAXのネットワークをどう活用するかをイメージさせる実用例が多く見られる。

 その一つは、富士通ネットワークソリューションズが展示する農場監視システムである。このシステムで利用する端末にはWebカメラと温度・湿度計、人感センサー、土の中の温度や水分、栄養価を調べるセンサー、バッテリー確保のための太陽光発電パネルを備えている(写真)。各センサーから収集した情報を、地域WiMAXネットワークを介して管理サーバーに送信する仕組みである。広い農場でできるだけ手間をかけずに監視することが目的である。

 NECもWebカメラと組み合わせた商品を出展している。ただしこちらはヘルメットにWebカメラを内蔵した通信端末である。ヘルメットから地域WiMAXのネットワークを介して送られる映像を管理者が見て作業指示を出す、または作業中の人に危険を知らせるといった用途を想定している。

 実際の導入事例を展示していたのがフジクラである。同社は防災無線のネットワークに地域WiMAXを用いた福井県敦賀市の実例を紹介している。市の防災センターから屋外スピーカーを通して防災情報を伝えるシステムであり、その主回線に地域WiMAXネットワークを、冗長回線にケーブルテレビ回線をぞれぞれ使っている。「既存の防災無線をリプレースするよりも、コストが1/2~1/3になることから採用された」(フジクラ 光機器・システム事業部 ネットワークソリューション技術部長の中川三紀夫氏)という。