Android Application Award 2010 Springの大賞を受賞したタオソフトウェアと審査委員長の日本Androidの会 会長 丸山不二夫氏
Android Application Award 2010 Springの大賞を受賞したタオソフトウェアと審査委員長の日本Androidの会 会長 丸山不二夫氏
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Android Application Award 2010 Springの大賞、優秀賞の受賞者と審査員(撮影:菊池くらげ)
Android Application Award 2010 Springの大賞、優秀賞の受賞者と審査員(撮影:菊池くらげ)
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 2010年6月24日、Android Application Award(A3) 2010 Springの表彰式が開催され、受賞作品が発表された。大賞はタオソフトウェアの「tWakeUpCallMaker」。“目覚まし時計アプリケーションを生成するアプリ”である。優秀賞は「フォントロイド」、「はてなモノリス」、「待ちぴったん」の3作品、技術賞は「PhotoSpeak」、ルック&フィール賞は「つぶやき文庫」、学生賞は「通話履歴カレンダー」、グローバル賞は「PICT RHYTHM」が受賞した。

 A3 2010 Springは、Androidアプリケーションの開発支援を目的に日経BP社 ITproが主催しているコンテスト。ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズとNTTドコモが特別協賛し、日本Androidの会が後援している。2009年12月1日から2010年5月10日までの間に340件のエントリー登録があった。

 最終ノミネート作品として選ばれたのは17作品(最終ノミネート作品一覧)。その中から大賞を射止めたのはタオソフトウェアが開発した「tWakeUpCallMaker」だった。「tWakeUpCallMaker」は、「目覚まし時計アプリケーションを生成するアプリケーション」である。生成した目覚まし時計アプリは、メールなどでほかのAndroidユーザーに送信して使ってもらうことができる。「自分好みのAndroidアプリケーションを生み出すという行為が、Androidプログラミングのスキルがない人にとっても開かれ、身近なものになる可能性を示した」ことが評価された。

 開発したタオソフトウェアは、Androidに専門特化した企業。代表取締役の谷口岳氏は「プログラムが書けない人にもアプリケーションを作る楽しさを知ってもらいたくて作った」とtWakeUpCallMaker開発の動機を語った。同社ではAndroid用アプリケーションを作成できるようにするサービス「ドロクリ」(関連記事)を提供するなど、誰でもアプリケーションを作れるツールの開発を推し進めている。

 優秀賞には3作品が選ばれた。商品のバーコードをスキャンして投稿、購買情報を共有できるソーシャルアプリである、はてなの「はてなモノリス」。Xperiaのタッチパネルで手書き風フォントを作成し、作った書体を皆で共有できる、アスカラボの「フォントロイド」。2人の現在位置から、中間地点を待ち合わせ場所候補として挙げたり、その場所までナビしたりする待ち合わせ支援アプリ、ANALOG TWELVEの「待ちぴったん」である。

 技術面で特に優れた作品に贈られる技術賞は、モーションポートレートの「PhotoSpeak」が受賞した。任意の顔写真に好きな言葉をしゃべらせることができるアプリで、サーバーとの連携によるクラウドコンピューティングでの画像処理を行う。

 世界での活躍が期待できる作品を表彰するグローバル賞には、テックファームの「PICT RHYTHM」が選ばれた。好きな画像と音楽を組み合わせて、Xperiaだけでオリジナルのスライドムービーを制作・再生するビデオジョッキー(VJ)アプリである。

 ユーザーインタフェースやユーザー体験に優れた作品に贈られるルック&フィール賞は、特別審査員を務めた女優の伊藤裕子氏が審査した。受賞したのは高橋憲一氏の「つぶやき文庫」。Twitterに書かれた短編小説(#twnovel)を、画像とともに情緒あふれる動きの画面で読めるアプリだ。

 学生賞は、放送作家・脚本家の小山薫堂氏が特別審査員として選考した。受賞した筑波大学大学院 João Orui氏の「通話履歴カレンダー」は、通話履歴をカレンダーに表示し、いつ話したのか一目で分かるようにするものである。

 審査員は伊藤氏、小山氏のほか、日本Androidの会 会長 丸山不二夫氏(審査員長)、アプリックス 代表取締役 郡山龍氏、ITジャーナリスト 林信行氏、ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ 営業本部 マーケティング部 統括部長 小林弘明氏、NTTドコモ スマートフォン事業推進室 アプリケーション企画 担当部長 山下哲也氏が務めた。

 表彰式の最後には、Android開発者への支援を継続するため「Android Application Award(A3) 2010 Winter(仮)」を今冬に開催することが発表された。詳細は今後ITproサイト上などで報告される予定だ。

表●Android Application Award 2010 Spring受賞作品
 作品名作者概要
大賞tWakeUpCallMakerタオソフトウェア自分の声など好きな音をアラーム音とする目覚まし時計Androidアプリを生成するアプリ。メールに添付するなどしてほかのユーザーに送信することもできる
優秀賞フォントロイドアスカラボXperiaのタッチパネルで手書き風フォントを作成し、作った書体を皆で共有して使えるソーシャルフォントアプリ
はてなモノリスはてな商品のバーコードをスキャンして投稿、購買した商品の情報を簡単に共有できるソーシャルアプリ
待ちぴったんANALOG TWELVE待ち合わせ支援ソフト。2人の現在位置から、中間地点を待ち合わせ場所候補として挙げたり、その場所までナビする
技術賞PhotoSpeakモーションポートレート任意の顔写真に好きな言葉をしゃべらせることができるアプリ。サーバーと連携しクラウドで画像処理を行う
ルック&フィール賞つぶやき文庫高橋 憲一氏Twitter上の短編小説(#twnovel)を気軽に読めるアプリ。画像付きで文庫本のような質感
学生賞通話履歴カレンダーJoão Orui氏端末カレンダー(Google Calendarと同期)に自動的に通話履歴を保存するアプリ
グローバル賞PICT RHYTHMテックファーム好きな画像と音楽を組み合わせて、Xperiaだけでオリジナルのスライドムービーを制作・再生するアプリ
最終ノミネート作品一覧はこちら
■変更履歴
2枚目の写真を更新しました。 [2010/06/25 14:02]