米Intelは米国時間2010年6月21日、米連邦取引委員会(FTC)が同社を相手取って起こした独占禁止法違反訴訟に関して、FTCと和解に向けて交渉中であることを明らかにした。行政的裁判の進行を保留することを申請したという。

 FTCは2009年12月16日に、Intelがマイクロプロセッサ市場における支配的地位を悪用し、競合メーカーのマイクロプロセッサを市場から締め出そうとしたなどとして同社を提訴した(関連記事:FTCがIntelを提訴,マイクロプロセサ/GPU市場における独禁法違反で)。FTCの主張によれば、Intelは米Dellや米Hewlett-Packard(HP)、米IBMなどのパソコンメーカーに脅迫やリベートといった手段で働きかけ、競合メーカー製品の採用を見送らせた。またコンパイラを改造して競合メーカーのマイクロプロセッサ上で動くソフトウエアの速度を故意に落とした。さらにFTCは、Intelが同じ手法をGPU(グラフィックスプロセッシングユニット)分野にも適用することで米NVIDIAなどとの競争を優位に進めたとみている。

 IntelとFTCは7月22日まで、同意指令案について討議する。同意条件については非公開とし、Intelは今後この問題について公式声明を発表することはない。

 Intelは独禁法違反に関して数々の追及を受けており、昨年5月には欧州連合(EU)の欧州委員会(EC)から、欧州競争法(独占禁止法)違反で制裁金10億6000万ユーロの支払いを命じられた(関連記事:欧州委員会,独占禁止法違反でIntelに約1400億円の制裁金)。また11月には米AMDとの訴訟において12億5000万ドル支払うことで和解に至っている(関連記事:Intel,12億5000万ドル支払いでAMDと和解,5年のライセンス契約締結)。

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