写真●日立製作所の鈴木學社会・産業インフラシステム社社長(左)と三菱重工業の宮永俊一機械・鉄構事業本部長
写真●日立製作所の鈴木學社会・産業インフラシステム社社長(左)と三菱重工業の宮永俊一機械・鉄構事業本部長
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 日立製作所は2010年6月22日、三菱重工業と海外向けの鉄道システム事業について協業すると発表した。「海外の大手企業に対抗して案件を獲得するには、競争力を高める必要があった」と日立の鈴木學社会・産業インフラシステム社社長は、協業の理由を説明する(写真)。

 日立は車両製造などのほか、鉄道の運行管理システムや通信技術を得意とする。海外でのプロジェクトマネジメントや軌道の敷設で実績がある三菱重工業と手を組むことで、海外市場での競争力を高める狙いである。「日立はソフトウエアや通信技術に優れている。それを鉄道システムに適用するために我々が設備を構築し、展開していく」(三菱重工業の宮永俊一機械・鉄構事業本部長)。

 協業するのは、地下鉄や在来線といった、通勤などで使う鉄道システムの構築事業。全自動無人運転車両システム、軽量軌道交通(LRT)といった新型の鉄道システムを含む。マーケティングや開発、製造、運用などの作業も共同で実施する。

 インドやベトナムなどのアジア諸国、2014年のサッカーワールドカップ開催に向けインフラ整備に力を入れるブラジルなどをターゲットにする予定だ。