米コネチカット州は米国時間2010年6月21日、米Googleの地図検索サービス「Google Maps」の「Street View」画像を撮影する車両が一部個人データを取得していた問題について、調査に乗り出すことを明らかにした。複数の州と協力し、コネチカット州検事総長のRichard Blumenthal氏が中心とって調査を進める。

 Blumenthal検事総長によると、調査計画に関して最近実施した電話会議には30州以上が出席しており、相当数の州が調査に参加する見込みという。

 GoogleのStreet View車両は、道路から見える風景を撮影するほか、位置ベースのサービス強化を目的としてWi-Fiネットワーク情報も収集していた。Googleは4月27日のブログ投稿記事で、収集の対象情報はSSIDデータ(ネットワーク名など)やMACアドレス(ルーターの固有番号など)であり、違法性はないと説明。ネットワークを通じてコンピュータ間で送信されるペイロードデータは取得していないとしていた。

 しかし、ドイツのデータ保護関連当局の要請に応じて再調査したところ、パスワード保護されていないWi-Fiネットワークからペイロードデータを誤って収集していたことが分かったと、5月14日にブログ投稿記事で明らかにした。同社は、過去の実験的プロジェクトで作成したデータ収集用コードが手違いでStreet View車両のソフトウエアに紛れ込んでいたと釈明し、収集データを同社製品に利用したことはないと強調した(関連記事:Google、Street View車両の個人データ収集を認める)。

 Blumenthal検事総長は今後の共同調査を通じて、法規が犯された可能性や州法あるいは連邦法を改訂する必要性を検討するとしている。

 また同氏はGoogleに対し、どのようにして未承認のコードがStreet Viewのデータ収集プログラムに入り込んだのか、Googleは手違いで収集したデータをなぜ保存していたのかなどの質問を送ったという。さらにStreet View車両と収集データに関する社内手続きや規定のコピーの提出なども求めており、現在Googleの返答を待っている。

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