オーストラリアの大手携帯電話事業者Telstraは現地時間2010年6月20日、オーストラリア政府の全国ブロードバンドネットワーク(NBN)計画に関して、同計画の推進を担当する公社NBN Coとの非拘束的覚書に署名したことを明らかにした。契約が成立すれば、Telstraは約110億オーストラリアドルの支払いを受ける。NBN計画に参加し、インフラを提供する。

 Telstraは、自社の音声サービスと高速サービスを、既存の銅線およびケーブルネットワークからNBN Coのブロードバンドネットワークへ段階的に移行する。ケーブルネットワークは、オーストラリアFOXTELとの有料テレビサービス契約用に使用を継続する。

 NBN計画に関してTelstraは政府と1年に及ぶ交渉を重ねてきた。Telstra最高経営責任者(CEO)のDavid Thodey氏は、「今回の署名は重要な一歩だが、多くの複雑な問題が山積している」と述べている。Telstraとオーストラリア政府およびNBN Coは今後、移行プロセス、課税、法規の適用、スケジュール調整などさまざまな課題に取り組まなければならない。

 TelstraとNBN Coは数カ月にわたって協議を進め、2011年前半には最終合意についてTelstra株主に説明する予定。契約成立にはオーストラリア消費者・競争委員会(ACCC)などの承認が必要となる。

 米メディアの報道(Wall Street Journal)によると、オーストラリア政府が430億オーストラリアドルを投じるNBN計画では、国内90%の家庭および企業へ高速インターネット接続を提供することを目指している。

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■変更履歴
記事タイトルを当初「約110豪ドル」としていましたが,正しくは「約110億豪ドル」です。お詫びして訂正します。現在は修正済みです。 [2010/06/21 13:40]