日本ユニシスは2010年6月16日、データストレージに特化したクラウドサービスを7月1日から提供すると発表した。利用企業のイントラネット上にあるストレージとして利用できる。バッチ処理やバックアップといった用途に合わせたオプション機能も用意する。

 新サービス「ICTファイル共有サービス」は、同社が提供するIaaS(インフラストラクチャ・アズ・ア・サービス)「ICTホスティングサービス」の一メニューになる。NAT(ネットワークアドレス変換)をすることなく、利用企業のイントラネットと日本ユニシスのデータセンターにあるネットワークを接続することで、「Active Directoryなどで社内システム認証を実施している企業も、イントラネットの延長としてストレージを利用できる」(廣田博美ICTサービス本部基盤サービス部長)という。

 ストレージの特性や用途に応じたオプションメニューとして、「大容量ストレージ」「高速ストレージ」「秘密分散リモートデータストアサービス」などを用意する。廣田部長は、「ストレージサービスはこれまで、データ容量の違いで特色を打ち出してきた。当社は今後、質の違いを強調したサービスを充実させる」と話す。

 大容量ストレージは、例えばバックアップ用途や、画像や動画といった大容量データの保存用途などを想定する。高速ストレージは、大量データのバッチ処理やデータ検索などに向くという。

 秘密分散リモートデータストアサービスは、データ内容を保護するもの。暗号化技術の一種「秘密分散技術」を使い、データを3カ所のデータセンターに分割保存することで実現する。データ保護関連では、光ディスクのように、一度書き込んだデータを変更できないようにするメニューも設ける。「安全に長期間保管することが求められる公文書データの保存に適している」(廣田部長)としている。

 ICTファイル共有サービスの利用料金は、基本料金が月額27万円で、これにストレージ1Tバイト当たり14万円からの従量課金が加わる。オプションメニューの料金は、大容量ストレージが500Gバイト当たり月額4万円から、秘密分散リモートデータストアサービスが100Gバイト当たり月額35万円からなどである。