米Mozilla Foundationは米国時間2010年6月14日、次期レンダリングエンジン「Gecko 1.9.3」(アルファ版)の開発者向けプレビュー第5版を公開した。WebサイトでWindows用Mac OS X用Linux用を無償でダウンロード提供している。

 Gecko 1.9.3の第5版は、前回の開発者向けプレビュー版に数多くの変更を施している。ユーザーインタフェース(UI)は、Windows Vista/7のUI「Aero Glass」に対応し、各種ボタンなどWindows用テーマに対応させたほか、タブをツールバーの上部に配置できるようにした。HTML5ビデオの全画面表示時には、ハードウエアによる再生処理が行える。

 HTML5のフォーム機能やMozilla固有のCSSセレクター「-moz-any」、米Googleの提唱したWebメディア用フォーマット「WebM」にも対応した(関連記事:[Google I/O 2010]コンテンツ集約サービス「Google Wave」を一般公開)。複雑な構造を持つWebページのレンダリングを高速化する機能「Lazy Frame Construction」に加え、JavaScript処理の改善によりパフォーマンスが向上するという。そのほか、メモリー使用状況の表示方法改良、Mac OS X用アプリケーション実行環境「Cocoa」のイベントモデル対応などを実施した。

 また、開発者向けプレビュー第5版で初めてMac OS X用およびLinux用の64ビット版を公開した(Mac OS XLinux)。

 なおMozillaは、アルファ版はテスターおよび開発者向けの早期テスト用途であるため、実作業での使用には適さないとしている。

[Mozilla公式ブログへの投稿記事]