写真1●三菱電機インフォメーションシステムズ 産業・サービス事業本部 流通・ネットワーク事業部事業部長 取締役の川上真二氏
写真1●三菱電機インフォメーションシステムズ 産業・サービス事業本部 流通・ネットワーク事業部事業部長 取締役の川上真二氏
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写真2●MELFOS on Demandの「認識結果修正」画面
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 三菱電機は2010年6月15日、FAXで受信した手書き文字をテキストデータに変換するFAX OCR(Optical Character Recognition)システムを、SaaS型で提供すると発表した。「MELFOS on Demand」のサービス名で10月1日から開始する。月額基本料金は3万9900円から。「これまで導入コストの負担の大きさから自社内にFAX OCRを持てないでいた小規模企業をターゲットとする」(三菱電機インフォメーションシステムズ 産業・サービス事業本部 流通・ネットワーク事業部事業部長 取締役の川上真二氏、写真1)。

 MELFOS on Demandは、同社が1997年から提供しているオンプレミス型のFAX OCRシステム「MELFOS」をSaaS化したもの。FAXで受信した帳票などの手書き文字を、同社のFAX OCRサーバーで自動認識し、テキストデータに変換したのち顧客の業務システムへ送信する。

 テキストデータへ変換する前に、顧客が文字の認識結果を目視確認できるのが特徴だ。テキスト化前の中間データをいったん顧客へ送信し、確認用画面に認識結果と手書き文字を並べて表示する(写真2)。顧客は、テキストデータを取り込む前に、確認用画面で文字を修正したり、送信者に確認をとったりできる。

 「FAXの受信からデータの取り込みまでを完全にSaaS側で実施してしまうと、イレギュラーな処理に対応できない。テキストデータ化の前に顧客による確認フェーズを設けることで、例えば発注数の異常値を発注元へ確認するなど(FAXを目視確認していた従来と同じような)臨機応変な対応が可能になる」(川上氏)。

 川上氏は、「Webの普及により、FAXの利用率は減少しているように思われるが、実は通信販売や定型伝票を扱う百貨店などの業界では、FAXは最も手軽な受発注手段として依然広く使われている」と説明。2011年3月までに50契約の獲得を目指すとした。