NHKアイテックと日本通信機は2010年6月15日、地上デジタル放送混信対策用の同一チャンネル干渉除去LSIを開発したと発表した。NHK放送技術研究所が研究開発した干渉除去技術を採用した。

 地上放送では、多くの送信所を設置する必要があったことや、地形などの関係で遠方から放送波が届くことにより、受信点で混信が発生する場合がある。今回のLSIは、2本のアンテナで干渉を含む希望波(受信したい放送波)を受信し、時間領域で合成(アレー合成)した後に干渉を除去する。アルゴリズムには、合成後の信号に含まれる干渉成分が最小になるように合成係数を制御するMMSE(Minimum Mean Square Error:最小2乗誤差)法を採用した。

 このLSIを搭載した干渉除去装置を用いることで、希望波とは放送番組が異なるデジタル放送波に加えて、「アナログ放送波やISDB-T以外の方式のデジタル放送波による干渉も除去できる」という。なおNHKアイテックは、「ケーブルテレビショー2010」(2010年6月24日~26日開催)で今回開発したLSIの展示を予定する。日本通信機は今後、「時期は未定だが、量産をしたい」としている。