大日本印刷(DNP)は2010年6月15日、iPhone向けに生活者の現在地や時間帯、嗜好に合わせて「街なか」の店舗や施設の情報を配信するサービス「マチレコ」の実証実験エリアを東京23区全域に拡大すると発表した。実証実験の期間は9月30日までである。
マチレコは、iPhoneから得られる位置情報に、時間帯や生活者が事前に設定した嗜好情報、閲覧履歴を分析して、その生活者が今後選択する可能性が高い街なかでの「食べる」「買う」「遊ぶ」「見る」といった行動を予測し、状況や好みに適した店舗や施設の情報を携帯端末に配信する。マチレコのアプリを選択すると、GPS(全地球測位システム)により位置情報を取得し、情報を分析して、状況や好みに適したと判定した店舗や施設の情報を画面に表示する。
エリア拡大にあわせて、利用者の現在位置を地図上に表示する機能を導入した。従来は利用者の現在地と目的の店舗の場所が地図上で固定表示されていた。今回、利用者の現在地が地図上で自動更新されるようになった。
DNPは、2008年3月~4月に渋谷でマチレコの実証実験を開始し、2010年3月25日からは、iPhone向けの実証実験を銀座・有楽町で実施してきた。また、マチレコで情報提供する店舗数も、当初の5000店舗から現在では約2万1000店舗(飲食店、ショップ、映画館、ギャラリーなど)に拡大している。2010年5月末時点で、実証実験サービスの利用者が約6200人に達した。居住地域別では東京在住者が半数を超え、20歳から34歳までの年齢層が約6割に達しているという。
今まで実験エリアを都内一部の地域に限定していたにも関わらず、エリア外に居住する利用者からのダウンロードも多く、マチレコに対する関心が高いことなどから、今回は実験エリアを東京23区全域に拡大することにしたと説明する。今後については、これらの実験結果を踏まえて、2010年秋以降にiPhoneをはじめとするスマートフォン向けに、マチレコの事業化を目指す。
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