「メディア王」Rupert Murdoch氏率いる米Newsは米国時間2010年6月14日、米メディア大手Hearst傘下の電子書籍企業Skiffの買収と、ニュースコンテンツの課金システムを手がける米Journalism Onlineへの出資を明らかにした。

 Skiffは、2010年1月のConsumer Electronics Show(CES)で米Sprint Nextelと共同開発した新聞・雑誌向けリーダー端末「Skiff Reader」を披露していた。この端末やスマートフォン、ネットブック向けのコンテンツ配信プラットフォームを開発し、出版社に購読料と広告料をもたらすコンテンツ配信サービスを年内にも始める予定だった。

 Journalism Onlineは、「Press+」と呼ぶニュースコンテンツの課金プラットフォームを開発、提供している企業。News傘下の米紙Wall Street Journalの電子版やその課金システムを手がけた人物などが設立した。

 Newsは、Skiffのコンテンツ配信プラットフォームとJournalism Onlineの課金システムが、出版業界を変革させるという同社戦略の重要な基盤になるとしている。Skiffの技術は、視覚的に訴求力があるレイアウトや、高解像度の画像、文字表示能力などが特徴。一方、Journalism Onlineのシステムでは、ユーザーが無料でサイトにアクセスでき、必要な際に有料コンテンツを読める従量制サービスを実現すると説明している。

 Wall Street Journalは、事情に詳しい関係者の話として、NewsはSkiffのリーダー端末には興味がないと伝えている。なおNewsはSkiffの買収金額やJournalism Onlineへの出資金額を公表していない。

[発表資料へ]