写真●アマゾンジャパンのジャスパー・チャン社長
写真●アマゾンジャパンのジャスパー・チャン社長
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 アマゾンジャパンのジャスパー・チャン社長は2010年6月14日、東京都内で開催された「世界ICTサミット2010」で講演を行い、仮想マシン貸しサービス「Amazon EC2」などのクラウドサービスに関して、日本での人材採用活動を拡大していることを明らかにした。国内でのデータセンター開設に関して明言は避けたが、採用する人材にはデータセンター運用スタッフも含まれている。

 同社はクラウドサービスの日本語化を年内に開始する予定で、昨年12月に日本法人アマゾンデータサービシズジャパンを開設済み。アマゾンデータサービシズジャパンは、Amazon EC2などを使ったシステム構築を手がける「ソリューションプロバイダー」の開拓を進めており、既にイーシー・ワン、日立システムアンドサービス、電通国際情報サービス、サイオステクノロジー、TIS、東芝、ウイングアークテクノロジーズ、ワークスアプリケーションズの8社が名を連ねている。

 アマゾンのクラウドサービス用データセンターは、従来の北米(東海岸、西海岸)、欧州(アイルランド)に加えて、2010年4月にはシンガポールにも開設済み。同社は2010年内にアジア地域でデータセンターをもう一カ所開設するとしており、その立地はデータセンター運用スタッフの採用を進めている日本になる可能性は高い。

 講演でチャン社長は、「巨大な電力会社が登場することで、企業が自社で電力を発電しなくなり、電力会社から提供されるサービスを利用するようになった。それと同じように、企業は今後、クラウドから提供されるコンピューティングパワーを利用するようになる」と指摘。アマゾンとして、企業向けにクラウドサービスを提供する姿勢を強調した。