ダイヤモンドは2010年6月14日、同社の電子書籍ビューワー「DReader」を活用した出版社向けの電子書籍ソリューションを提供すると発表した。DReaderはシンプルな操作性と、文字サイズの変更や動きのある図などの電子書籍ならではの機能を実現しているという。原稿ファイルへのタグの埋め込み作業やアプリのビルド、App Storeへの申請など、提供する作業の内容別に複数のメニューを用意する。

 DReaderは現在iPhoneに対応しており、7月上旬をめどにiPadにも対応する。iPad対応以降は、iPhoneとiPadのどちらでも利用できるユニバーサルアプリの電子書籍アプリを提供できるようになる。サービス開始当初は書籍1冊ごとに一つのアプリとして提供するが、将来的には1アプリ内に複数の電子書籍を格納できる「ショップ型」の機能拡張も予定している。この場合、全集をまとめて提供したり、出版社オリジナルブランドでショップ展開したりできる。

 DReaderによる電子書籍アプリ発売までの作業工程は、大きく次の六つに分かれる。
(1)タグ付きテキストと図版などを作成
(2)開発用アプリで確認
(3)ダイヤモンドにデータ入稿
(4)アプリデータの最終チェック
(5)App Storeへの登録申請
(6)発売

 今回ダイヤモンドは、ダイヤモンドがビューワーと作成マニュアルを提供し、出版社が(1)~(6)までの作業を行う「梅」コースと、ダイヤモンドが(1)~(4)のアプリ作成までを行い、出版社が(5)と(6)を行う「竹」コース、ダイヤモンドが(1)~(6)の全作業を行う「松」コースの3コースを提供する。

 利用料金はいずれのコースも「固定費(データの流し込み代)+売上金額に応じたレベニューシェア」となる。梅コースの場合、データ流し込み代として3万円、レベニューシェアとしてコンテンツの売上金額の10%をダイヤモンドに支払う(無料アプリとして提供する場合は、流し込み代が10万円となる)。「松」「竹」コースでは、作品ごとの作業量に合わせて料金が変わる。「松」「竹」コース向けにはタグ付テキストの作成を効率化する「アプリ作成支援ツール」を提供予定で、DTPファイルからの自動変換機能なども開発中という。