日本生命保険は2010年6月11日、2010年1月以降のデータセンターにおける空調電力が前年と比較して24%削減していると発表した。年間の削減量は約172万kWh、CO2換算で約610トンとなる模様。金額換算では年間7000万円かかっていた空調電力費用のうち1800万円を削減できるという。

 日本生命はCSR(企業の社会的責任)の一つとして「環境取組や社会貢献活動を推進する」を掲げている。2000年に社長を座長とした環境委員会を立ち上げ、各部門でも取り組んできたという。今回のデータセンターにおける空調電力の削減は、情報システム部門が主体となって取り組んだ。

 空調電力の削減プロジェクトは、日本IBMと共同で2009年10月から2010年1月まで進めた。10月から12月まで日本IBMの大和研究所がデータセンター内の温度分布や空調機の稼働状況、気流を調査して可視化したり、その分析結果に基づいて空調機の配置や風量を最適化したりした。2010年1月に試験運用したところ、2009年12月と比べて24%の削減効果があることが分かった。

 日本生命は引き続き効率的な空調環境を維持する取り組みにも着手するという。日本IBMの「ダイナミック空調コントロール」サービスの利用を検討する。これはデータセンター内の温度情報をIT機器や温度センサーで収集し、リアルタイムに空調の給気を自動制御するサービスである。