米Googleは現地時間2010年6月8日、「Internet Explorer(IE)」用プラグインソフトウエア「Google Chrome Frame」のベータ提供を開始した。オープンソースのWebブラウザ「Google Chrome」の各種機能をIE内で使えるようにする。併せて、Chromeのセキュリティ修正版「5.0.375.70」と開発者向け早期リリース版「6.0.427.0」を公開した。

 Chrome FrameをIEにインストールすると、IE内でChromeのレンダリングエンジンとJavaScriptエンジンを使ったWebブラウジングが可能になる。結果、IEの動作速度が向上し、最新の各種Web技術も利用できるとしている。最新版のChrome 5.0に搭載されたHTML5のaudio/video/canvasタグや、位置情報API、Webワーカーといった機能にも対応する(関連記事:「Google Chrome」最新版、Windows/Mac/Linux向けの正式提供を同時に開始)。

 Chrome Frameの対応しているIEはバージョン6/7/8、OSはWindows 7/Vista/XP SP2。GoogleのWebサイトから無償でダウンロードできる。 すでにChrome Frameをインストールしている場合は、ベータ版に自動アップデートされる。

 ベータ版は、2009年9月より提供していた開発者向け早期バージョンをベースにセキュリティと安定性、性能を改善したもの。新たな機能追加はない(関連記事:Google,IEをChrome化するプラグイン「Google Chrome Frame」をリリースMS vs グーグル:IEプラグイン「Google Chrome Frame」をめぐり舌戦)。

 一方、セキュリティ修正版のChrome 5.0.375.70は、Windows/Linux/Mac OS X向け。修正対象のセキュリティホールは、重要度「High」が9件、同「Medium」が2件である。そのうち1件はLinux向けだけに存在するセキュリティホールである。今回Googleは、セキュリティホールの発見者に謝礼として合計2500ドルを支払った。

 開発者向け早期リリース版のChrome 6.0.427.0も、Windows/Linux/Mac OS X向けに提供する。バグ修正などが施されている。

[Google公式ブログへの投稿記事(Chrome Frameベータ版)]
[Google公式ブログへの投稿記事(Chrome 5.0.375.70)]
[Google公式ブログへの投稿記事(Chrome 6.0.427.0)]