写真1●シトリックス・システムズ・ジャパンが提供を始めた「NetScaler」最上位機3モデルの主な仕様
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写真2●2010年第3四半期にスループット3Gビット/秒の仮想アプライアンス版NetScalerを提供予定
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 シトリックス・システムズ・ジャパンは2010年6月8日、サービス/データセンター事業者向けアプリケーションスイッチ「Citrix NetScaler MPX」最上位機3モデルの提供を始めた(写真1)。3モデルでハードウエアを共通化。ライセンス購入で20Gビット/秒から50Gビット/秒まで帯域を増やせる。

 発売したのは、負荷分散のスループットが20Gビット/秒の「NetScaler MPX 17500」、同35Gビット/秒の「NetScaler MPX 19500」、同50Gビット/秒の「NetScaler MPX 21500」。いずれもハードウエアは共通で、2Uのきょう体に6コアXeon×2、48Gバイト・メモリーを備える。ライセンスの追加購入で上位モデルにアップグレードできる。機能面では、それぞれのモデルでStandard版、HTTP圧縮機能などを標準搭載するEnterprise版、キャッシュ機構やアプリケーションファイアウォール機能を統合したPlatinum版を用意する。

 OSは最新の「NetScaler 9.2」を搭載。バージョン9.2の主な強化点は、トラフィックをポリシーと流量に応じて複数サイトに広域負荷分散させる「GLSB Spillover」の搭載、IPv6スループットの最大12Gビット/秒から最大18Gビット/秒への向上、XPathによるXML文書のルーティング、キャッシュ機構のメモリーキャッシュ容量の最大2Gバイトから16Gバイトへの拡大など。

 価格はオープンだが、参考価格は、MPX 17500が2849万円から、MPX 19500が4171万7500円から、MPX 21500が5291万円から(いずれも税別)。ライセンス購入によるアップグレード価格は、上位機との差額とほぼ同等という。

90日限定の一時課金ライセンスを用意

 2010年第3四半期には、クラウドサービス事業者向けの一時課金ライセンスの提供と、仮想アプライアンス版NetScaler「NetScaler VPX」新版の提供を予定する。VPXは、同社のサーバー仮想化ソフト「Xen」や米VMwareの仮想マシンで動作するソフトウエア製品。

 ライセンスについては、トラフィックの増減に応じた課金の最適化が可能なメニューとして、90日間のみ有効な一時ライセンス「Burst Pack」を用意する。例えばMPX 17500またはMPX 19500のユーザーは、最上位のMPX 21500をライセンス差額の3分の1程度の料金で90日間利用できる(写真2)。Burst Packは同年第3四半期に提供する。

 NetScaler VPXは、スループットを従来の最大1Gビット/秒から3Gビット/秒に増やした「NetScaler VPX-3000」を提供する予定。同社の検証では、PCI ExpressのI/O仮想化技術「SR-IOV」に対応した米Intel製NICを使用して最大15Gビット/秒までVPXを拡張できるめどがついているという。また対応ハイパーバイザに米Microsoftの「Hyper-V」を追加。これにより、Microsoftの運用管理ツール「Microsoft System Center」による統合管理が可能になる。

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