マルチメディア放送(mmbi、本社:東京都千代田区、代表取締役社長:石川昌行氏)は2010年6月4日、VHFハイバンド(V-High)の14.5MHz幅を利用した携帯端末向けマルチメディア放送の事業化に向けて、電波法に定める特定基地局の開設に関する計画(開設計画)の認定申請を総務大臣あてに行ったと発表した。同社は、ISDB-Tmm 方式による全国向けマルチメディア放送サービスを展開する。

 今後、開設計画の認定を受けた後にm親会社であるNTTドコモなど各出資企業と連携して、マルチメディア放送事業の開始に向けて具体的な準備を進め、新たな市場の創出に取り組んでいくという。

 mmbiは、フジテレビジョン、伊藤忠商事、NTTドコモ、スカパーJSAT、ニッポン放送によって2006年12月に設立された「マルチメディア放送企画LLC合同会社」を前身とする。現在は、日本テレビ放送網、テレビ朝日、東京放送ホールディングス、電通、住友商事も出資している。

 昨年秋に総務省が行った参入調査の時点では、mmbiなどが出資する別会社が受託放送事業への参入を目指す方針を示していたが、実際にはmmbi自身が受託放送事業に名乗りを挙げた形である。

 なお、mmbiの説明によるISDB-Tmm 方式は「ISDB-T技術を発展させた携帯端末向けマルチメディア放送方式で、地デジ/ワンセグとの互換性を確保しつつ、IPプロトコル採用など通信規格とも親和性の高い方式」という。これまでのチャンネル的概念で周波数を分割せず、時期や時間帯に合わせてストリーミングと蓄積型放送を柔軟に組み合わせることが可能で、周波数を有効的に利用できるという。

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