会場となるTaipei World Trade Center(TWTC)。隣接するTICCや少し離れたTWTC南港会場も利用し、1700以上のブースがある
会場となるTaipei World Trade Center(TWTC)。隣接するTICCや少し離れたTWTC南港会場も利用し、1700以上のブースがある
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台湾MSIの「Wind Pad」。Atomを採用し、Windows 7を搭載。タッチ操作に特化した専用プログラムを載せた
台湾MSIの「Wind Pad」。Atomを採用し、Windows 7を搭載。タッチ操作に特化した専用プログラムを載せた
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MSIのコンセプトモデル。ノートパソコンのキーボード部分が回転すると、裏側は大きなタッチパッドになっている
MSIのコンセプトモデル。ノートパソコンのキーボード部分が回転すると、裏側は大きなタッチパッドになっている
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台湾Acerの「Lumi Read」は、米E Inkの電子ペーパーを採用。米国、中国、EU圏において発売予定で、ドイツ語、中国語、英語で表示されていた
台湾Acerの「Lumi Read」は、米E Inkの電子ペーパーを採用。米国、中国、EU圏において発売予定で、ドイツ語、中国語、英語で表示されていた
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米インテルの説明会では、Atomを使った各社のスレートPCの試作品が展示されていた。同社は、ネットブックの次に来るトレンドをスレートPCとみている
米インテルの説明会では、Atomを使った各社のスレートPCの試作品が展示されていた。同社は、ネットブックの次に来るトレンドをスレートPCとみている
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デュアルコア版Atomを採用した薄型ネットブックの試作品。厚さは14ミリ。「Canoe Lake」という開発コードで呼ばれており、インテルの設計に従うことで多くのメーカーが薄型ネットブックを製造可能になるという
デュアルコア版Atomを採用した薄型ネットブックの試作品。厚さは14ミリ。「Canoe Lake」という開発コードで呼ばれており、インテルの設計に従うことで多くのメーカーが薄型ネットブックを製造可能になるという
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 パソコンを中心としたIT展示会「COMPUTEX TAIPEI 2010」が、2010年6月1日から台湾・台北市で開幕した。今年のトレンドの一つは、スレート(Slate)PCだ。タブレットやパッドなどいくつかの呼び方はあるが、ノートパソコンのようなディスプレイ部を開く形ではなく、板のような形状で、主にタッチパネルで操作するパソコンだ。2010年1月に開かれた家電・IT展示会「2010 International Consumer Electronics Show(CES)」で、米マイクロソフトのスティーブ・バルマーCEOがスレートPCとして各社の製品を紹介。その後、米アップルの「iPad」が大ヒットを受け、COMPUTEXでも多数の製品が発表された。米インテルがデュアルコアのモバイル向けAtomなどを発表し、薄型でファンを内蔵する必要がないハードウエアの開発が容易になったことも、スレートPCが増えた要因の一つだ。

 スレートPCの中には、パソコンの基本設計とは異なり、CPUにARMを採用した製品もある。OSにAndroidやLinuxを採用し、統合チップセットにより、よりコンパクトで長いバッテリー駆動時間を実現する。特にAndroidは、スマートフォン分野での成功に続いて薄型テレビ分野にも進出するなど、影響力を強めつつある。

 マイクロソフトもWindows CEを「Windows Embedded Compact 7」と名称を変えて提供する予定。ARMを使ったプラットフォームでタブレット形状のハードウエアを作る場合のOSの選択肢が増えてきた。

 台湾の大手PCメーカーは、こぞってスレートPCを発表した。エイサーはCOMPUTEX開催直前、中国・北京など世界3カ所で発表会を開催。スレートPCや電子ブックリーダー「Lumi Read」などを公開した。COMPUTEXでは、インテルの基調講演にジャンフランコ・ランチ社長がゲストとして登場、スレートPCを披露した。

 一方、アスーステック・コンピューターは5月31日に発表会を開き、スレートPCなどを含む「Eee Pad」、描画機能などを追加した電子ブックリーダー「Eee Tablet」を発表した。MSIは、キーボード部分がタブレットになる独自構造を採用したパソコンのコンセプトモデルや、2画面タブレットなどを同日に発表した。

 米インテルは、現行のAtom Nシリーズの強化版として、デュアルコア版とDDR3メモリー対応版を発表した。後者は、Atom N455/N475として出荷が始まっている。デュアルコア版はさらに処理性能が向上し、従来のAtomではコマ落ちするような動画再生もこなせるようになるという。

 米インテルはこのデュアルコア版Atom Nシリーズを使った「Canoe Lake」という厚さ14mmの薄型ネットブックの試作品を公開。同社のレファレンス設計を使うことで、メーカーは薄型ネットブックの開発が可能になる。

 デスクトップ向けのCPUでは、Core i5/i7の「アンロック版」も発表された。インテルのCPUは、外部から供給されるクロックに対して、その何倍という形で動作周波数を決めている。従来のCPUは、その倍率が固定されており、ユーザーが自由に変更することはできなかった。しかし、アンロック版は、その倍率を自由に設定できる。もちろん、安定して動作させるためにはマザーボードや冷却機構、電源などでの対策が必要だ。価格は、従来の最上位クラスのCore i7-980X Extreme Editionほど高価ではなく、同等のCore Iシリーズより少し高い程度になるらしい。

■変更履歴
写真のキャプションで「Lumi Reader」とあったのは、「Lumi Read」の誤りです。同じく、「Canoe Lake」のスペルが間違っていました。キャプションは訂正済みです。[2010/06/04 12:34]