ASUSTeK Computerは2010年5月31日、Eee PCの系列に属するスレート(板状)PCである「Eee Pad」や「Eee Tablet」,Android OSを採用したスマートフォン「A10」などを発表した。

 Eee Padには、12型液晶を採用した「Eee Pad EP121」と、10型液晶の「EP101TC」がある。このうち、純粋なPCアーキテクチャーなのはEP121。CPUに「CULV」(一般消費者向け超低消費電力版)と呼ばれるCore 2 Duoを採用、OSはWindows 7 Home Premium Editionを搭載する。

 単体で利用できるほか、机の上で使うためのスタンドと、EP121に装着して一般的なノートPCと同じクラムシェル形状にできるモバイル用アダプターも別途用意する。本体単体でも画面上のキーボードによる入力が可能で、パッド、デスクトップ、クラムシェルの3種類の形態で利用可能だという。

パッド型のPC「Eee Pad EP121」。12型の液晶を備え、CPUにいわゆるCULV版Core 2 Duoを採用。Windows 7 Home Premiumが動作する。
パッド型のPC「Eee Pad EP121」。12型の液晶を備え、CPUにいわゆるCULV版Core 2 Duoを採用。Windows 7 Home Premiumが動作する。
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Eee Pad EP121は、モバイル用のアダプターを装着することでクラムシェル形状となって、通常のノートPCのように扱える。
Eee Pad EP121は、モバイル用のアダプターを装着することでクラムシェル形状となって、通常のノートPCのように扱える。
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Eee Pad EP121にモバイル用アダプターを装着し、たたんだ状態。
Eee Pad EP121にモバイル用アダプターを装着し、たたんだ状態。
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Eee Pad EP121用のデスクトップアダプター。キーボードと組み合わせ、デスクトップPCのように利用できるようになる。
Eee Pad EP121用のデスクトップアダプター。キーボードと組み合わせ、デスクトップPCのように利用できるようになる。
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 Eee Pad EP101TCは、OSにWindows Embedded Compact 7を採用。画面を左右にスライドさせる独自のユーザーインターフェースを搭載している。重量は675g。液晶はワイドタイプで本体も横長だ。説明員によると、CPUとしてNVIDIAの組み込み向けプロセッサー「Tegra 2」を採用しているという。

 Windows Embedded Compact 7は、かつてのWindows CEを名称変更したOS。2010年内に発売予定と言われているMicrosoftの「Windows Phone 7」も、Windows Embedded Compact 7をベースに開発されている。NVIDAのTegra 2は、ARMの「Coretex-A9」デュアルコアとグラフィックス機能や動画の再生支援機能などを統合したチップだ。

Windows Embedded Compact 7を採用した「Eee Pad EP101TC」。CPUは,NVIDIAの「Tegra 2」。画面を左右にスライドさせ、アプリケーションアイコンやプログラムを切り替えるユーザーインターフェースを採用している。
Windows Embedded Compact 7を採用した「Eee Pad EP101TC」。CPUは,NVIDIAの「Tegra 2」。画面を左右にスライドさせ、アプリケーションアイコンやプログラムを切り替えるユーザーインターフェースを採用している。
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 Eee Tabletは、同社が「ノートテイキングデバイス」と呼ぶ機器。コンピューターというよりも、電子ブックリーダーや電子スケッチブックなどの機能を組み合わせた「電子文具」とでもいう製品だ。1024×768ドット、モノクロ64階調の反射型液晶を採用し、バックライトは無し。タブレット部分は、ワコムの電磁誘導(電子授受方式)だという。CPUは現時点では非公開だが、OSにはLinuxを採用しているという。

 microSDカードスロットとUSBクライアントポートを備え、PCと接続して簡単にデータを交換できる。カメラも内蔵する。学生や動き回るビジネスパーソン用で、会議メモやアイデアスケッチなどを手軽にできるようにするものだという。電子ブックリーダー機能では、ePUB、PDF、テキストファイルなどの形式をサポートしている。

タブレット機器「Eee Tablet」。電子ペンを使う「ノートテーキングデバイス」と称する。Linuxの上で専用アプリケーションが動作しており、メモ、録音、内蔵カメラによる撮影が可能で、電子ブックリーダー機能もある。液晶はモノクロ64階調の反射型でバックライトはない。
タブレット機器「Eee Tablet」。電子ペンを使う「ノートテーキングデバイス」と称する。Linuxの上で専用アプリケーションが動作しており、メモ、録音、内蔵カメラによる撮影が可能で、電子ブックリーダー機能もある。液晶はモノクロ64階調の反射型でバックライトはない。
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 同時に発表した「Garmin-ASUS A10」は、Android OSを採用したスマートフォンで、GPS関連機器を手がけるGarminの技術を搭載、従来機種よりも位置測定を開始するまでの時間が短く、また長時間動作する点が特徴だという。CPUはQualcommの7227(600MHz)。ディスプレイは320×480ドットの3.2型液晶で、静電容量方式のタッチセンサーを備える。512MBのROM、512MBのRAM、4GBのファイル領域を持つ。Android OSのバージョンは1.6だが、2.1にアップグレードできるという。

GPS関連機器でおなじみのGarminとの共同開発によるAndroid OS採用スマートフォン「A10」。32秒で位置の測定が可能になるという。携帯電話ネットワークからのアシストによるA-GPSも利用可能だ。
GPS関連機器でおなじみのGarminとの共同開発によるAndroid OS採用スマートフォン「A10」。32秒で位置の測定が可能になるという。携帯電話ネットワークからのアシストによるA-GPSも利用可能だ。
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 このほかASUSは、6コアのCore i7-980X Extreme Editionを搭載したゲーム用PC「CG8490」や、NVIDIAの次世代グラフィックチップを搭載、HDMI 1.4にも対応するという3D対応ノートPC「G51 3D」なども発表した。