Marvellの参照デザイン「Moby」
Marvellの参照デザイン「Moby」
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 発展途上国の子供一人ひとりに100ドルのパソコン配布を目指す非営利団体One Laptop per Child(OLPC)と米Marvellは米国時間2010年5月27日、低価格タブレット型コンピュータの開発で協力すると発表した。Marvellの参照デザイン「Moby」をベースにする。

 新たな端末は、現行の「XO」ノートパソコンの消費電力が約5ワットであるのに対し、約1ワットに抑える。タッチスクリーンを搭載し、複数言語に対応したソフトキーボードを装備する。インターネットを介して200万タイトル以上の電子書籍に無償でアクセスできるアプリケーションも付属する。

 Mobyは「ARMADA 610」プロセッサを搭載し、1080pフルHD動画のエンコードおよびデコード、3D(3次元)グラフィックスの各機構を備え、Flash 10をサポートする。Wi-Fi(IEEE 802.11n)やBluetooth接続、FM、GPSなどの機能に対応している。

 OLPC設立者兼会長のNicholas Negroponte氏は、「現在市場に出ているタブレット型コンピュータや電子書籍リーダーは素晴らしいが、教育向けニーズを満たしていない。教育現場では計算やコンテンツ作成、実験などを体験できるプラットフォームを必要としており、しかもすべて低コストであることが条件だ」と説明した。

 現在のXOは見開き型デザインだが、OLPCは1枚のシートのような薄いタブレット型の「XO 3.0」を2012年に投入する計画だと昨年12月に発表している(関連記事:世界の子供にパソコンを配るOLPC、2012年に斬新な設計の「XO 3.0」を投入)。米誌「Forbes」の電子版によると、Mobyベースの新端末は、これに先がけて2011年1月の家電展示会「CES」で発表される予定。価格は100ドル未満を見込んでいるという。

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■変更履歴
記事公開当初、本文末尾で見込み価格を「100万ドル未満」としていたのは「100ドル未満」の誤りです。お詫びして訂正します。本文は修正済みです。[2010/05/28 15:52]