Acerは2010年5月27日、中国・北京市にて報道関係者向けの説明会を実施、電子ブックリーダーやタブレットPCなど、開発中の製品を紹介した。

 最高経営責任者(CEO)兼社長のジャンフランコ・ランチ氏(Gianfranco Lanci、CEO & President)は、「これからのPC、デジタル製品を発展させるには、若者が楽しんで使え、年配者が気軽に活用できる製品が鍵になる」と説明。これまでAcerが参入してこなかったカテゴリーの製品開発を積極化すると説明した。

「子供、女性、年配者といった新しい市場開拓が必要」と語るジャンフランコ・ランチCEO。
「子供、女性、年配者といった新しい市場開拓が必要」と語るジャンフランコ・ランチCEO。
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 新規市場獲得戦略の第一弾として、2010年第3四半期には6型のモノクロディスプレイを搭載する電子ブックリーダー「LumiRead」を、そして第4四半期には、7型のタッチパネル式液晶ディスプレイを搭載するタブレット型PCを発売する。

 LumiReadはまず、中国語版、英語版、独語版を発売。既に各国のコンテンツプロバイダーとの交渉も進んでおり、「英語圏だけでなく、広い地域で楽しんでもらえるよう、ハードウエアだけでなくコンテンツ提供の交渉も強化している」(ランチ氏)と言う。

電子ブックリーダーのLumiRead。ノングレアのディスプレイを搭載。2GBのフラッシュメモリーを内蔵し、MicroSDカード用スロットも装備する。WiFiだけでなく3G用にも対応可能。キーボードのキーは、一般的なPCと同様の配列だ。
電子ブックリーダーのLumiRead。ノングレアのディスプレイを搭載。2GBのフラッシュメモリーを内蔵し、MicroSDカード用スロットも装備する。WiFiだけでなく3G用にも対応可能。キーボードのキーは、一般的なPCと同様の配列だ。
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 タブレットPCのOSは「Android」を採用する。詳細は未定としながら、「通信環境との親和性が高い、電子ブックや音楽・動画再生、インターネットのコンテンツ閲覧といったアプリケーションが豊富である、動作が軽快、といった理由からAndroidを選んだ」(同)。

 タッチパネル式のタブレットPCを開発するのは、「電子ブックリーダーとネットブックの間にある需要を獲得するため」(同)。ただ、具体的な出荷時期や各国での販売価格は未定で、日本での展開も「現在検討中」(日本エイサー)だ。

Android OSを搭載するタブレットPC。「オープンソースであることを重視した」とランチCEO。タッチパネルで電子書籍のページをめくったり、本体が回転すると、表示もそれに同期するといった動作をアピールした。
Android OSを搭載するタブレットPC。「オープンソースであることを重視した」とランチCEO。タッチパネルで電子書籍のページをめくったり、本体が回転すると、表示もそれに同期するといった動作をアピールした。
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