米Facebookは現地時間2010年5月26日、新たなプライバシー設定の実装を開始したと発表した。ユーザーが個人情報の共有状態を明確に把握し、数回のクリックで簡単に管理できるようにする。サードパーティーのアプリケーションやWebサイトからのアクセスを拒否する簡単な機能も追加する。同日より順次提供し、数週間で全ユーザーに利用可能にする。

 Facebookの最高経営責任者(CEO)であるMark Zuckerberg氏は、新たなプライバシー設定に関する方針を5月24日付けの米紙「Washington Post」の電子版に寄稿していた。これまでは詳細な設定にこだわり複雑になりすぎたため、新たな設定機能では使いやすさを重視するという。

 具体的には、個人情報の共有範囲を、クリック1回で「友達のみ」「友達の友達」「すべてのユーザー」に設定できる。操作はすぐに反映され、どのレベルに設定しているかが分かるよう表示される。より詳細な設定オプションは、同じWebページ上に提示する。

 ユーザーがFacebookの新たなサービスを導入する際には、既存のプライバシー設定に従って共有範囲を自動的に設定する。「すべてのユーザー」に公開できる基本的個人情報を大幅に制限し、名前、プロフィールの写真、性別、ネットワークに絞る。写真と性別はユーザーの意思で非公開にできる。

 サードパーティーからのアクセスを完全に拒否すると、全ユーザーに対して公開している情報でも、Facebook以外のアプリケーションやWebサイトによって共有されることはない。サードパーティーからのアクセスを許可しているユーザーでも、サードパーティーが「友達のみ」や「友達の友達」に制限されている情報にアクセスする際には承認を得ることが必要になる。

 新たなプライバシー設定の構築にあたっては、米上院議員Charles Schumer氏の事務所や、複数のプライバシーおよび消費者擁護団体と協議したという。Schumer議員は4月、SNSサイトの個人情報使用に関するガイドライン制定を米連邦取引委員会(FTC)に要請している(関連記事:米上院議員がSNSサイトの個人情報使用に懸念、ガイドライン制定をFTCに要請)。

[発表資料(1)]
[発表資料(2)]