米Microsoftは米国時間2010年5月25日、エンターテインメントとモバイル事業のテコ入れを図る組織再編を発表した。同社エンターテインメントおよびデバイス(E&D)部門のプレジデントを務めるRobbie Bach氏と最高エクスペリエンス責任者(CXO)兼最高技術責任者(CTO)のJ Allard氏が今秋退社する。

 同部門で、ビデオゲーム機「Xbox」やオンラインゲーム「Xbox Live」を手がけるインタラクティブエンターテインメント事業と、独自スマートフォン「KIN」や次期スマートフォン向けOS「Windows Phone 7」に取り組むモバイルコミュニケーション事業は、7月1日付けで同社最高経営責任者(CEO)Steve Ballmer氏の直属とし、それぞれ従来通りE&D部門上級バイスプレジデントのDon Mattrick氏とAndy Lees氏が率いる。

 Bach氏は1988年にMicrosoftに入社し、2005年の組織再編によるE&D部門設立の際にプレジデントに就任した(関連記事:米Microsoftが3部門制に組織再編,Windows幹部が2006会計年度末に退社へ)。Allard氏はE&D部門の設計および開発を管理し、Xboxのほか、携帯型メディアプレーヤー「Zune」などを手がけた。

 その他の事業では、Office Productivity Applications Group上級バイスプレジデントのAntoine Leblond氏がWindows Web Services担当上級バイスプレジデントに就任し、Office Business Productivity Group上級バイスプレジデントのKurt DelBene氏がOffice事業全体のエンジニアリング責任者となる。

 米メディアの報道(Wall Street Journal)によると、Microsoftの元幹部や現幹部からは、「Bach氏の退職は、携帯電話を中心とした消費者市場における同社の不調に懸念が高まっていることを強調するものだ」と指摘する声が上がっている。収益を生んでいるパソコン向けソフトウエア事業も、電子メールとWebブラウジングに特化した新たなデバイスの台頭に脅かされている。

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