図1 電波テレビカメラの構成
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図2 ミリ波帯大型リフレクトアレーアンテナの外観
図2 ミリ波帯大型リフレクトアレーアンテナの外観
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 日本放送協会(NHK)は2010年5月24日、電波テレビカメラに使う受信アンテナとして、電子的にビーム走査が可能なリフレクトアレーアンテナを開発したと発表した。電波テレビカメラは、煙や霧の向こうの様子などを高周波数の電波であるミリ波を利用して撮影できる機能を持つ。電波テレビカメラで被写体を撮影するためには、アンテナビーム(電波の受信方向)を変えられる受信アンテナが必要となる。これまで試作していた電波テレビカメラでは、アンテナの向きを機械的に動かしてアンテナビームを変えていたため、撮影に時間がかかり、動く被写体を撮影することができなかった。

 今回のリフレクトアレーアンテナは、多数の小さな反射素子の一つひとつの反射特性を、電子的に個々に制御することにより、アンテナビームを高速に制御する(図1および図2)。「60GHz帯のミリ波という高周波数帯で、57cm×57cmの大型リフレクトアレーアンテナの開発例は世界初」(NHK)という。これにより、フレーム周波数2.3Hzを実現した。「従来の電波カメラに比べ約23倍向上することができた」(NHK)としている。NHKは、このアンテナを用いた電波テレビカメラ装置を、NHK放送技術研究所の「技研公開2010」(2010年5月27~30日に開催)で展示する。

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