総務省は2010年5月19日、佐賀県が公共サービスの国際表彰である「国連公共サービス賞」を日本で初めて受賞したと発表した。佐賀県が取り組んでいる二つの公共サービス政策が評価された。

 佐賀県が進めている二つの政策の名称は、「協働化テスト」と「イノベーションさがプロジェクト」だ。協働化テストは、佐賀県の行政事務に対する県民満足度を高めるため、市民団体や自治会、民間企業などから改善提案を募り、それを実施する取り組みだ。2006年度の開始以来、これまでに約600の提案があり、その多くを実施したという。同政策は、国連公共サービス賞の「政策策定過程への参加を促す革新的メカニズム」部門でアジア太平洋地区第1位だった。

 もう一つのイノベーションさがプロジェクトは、佐賀県と民間企業が共同で行政課題を解決するための研究を実施し、新たな公共サービスを作ることを目的した取り組みだ。2007年度以降、13のテーマを設定して共同研究を進めてきた。同政策は「政府内の知識管理促進」部門でアジア太平洋地区第2位だった。

 国連公共サービス賞は、2003年に設立された公共サービスに関する国際表彰で、各国の公共サービス団体による創造的な成果や貢献を受賞要件としている。昨年は、韓国ソウル市の「オンラインリアルタイム水質公開サービス」やエジプト・アラブ共和国の「大学入学登録プロジェクト」などが受賞している。