オンライン百科事典「Wikipedia」を運営する非営利団体のWikimedia Foundationは米国時間2010年5月17日、創始者のJimmy Wales氏を巡る報道に関して「誤った情報が含まれている」との声明を発表した。同氏が一部権利を放棄したことについては認めているが、WikipediaおよびWikimedia Foundation内での立場に変更はないとしている。

 Wales氏については、米メディア(FOXNews.com)が5月14日、Wikipediaなどにおけるコンテンツ管理の最高権限を放棄したと報じた。同氏がWikipediaなどのWebサイトから性的画像を削除しようとしたことに、他の編集者たちが反発したためという。

 Wikimedia Foundationは、同氏が保持していたユーザーアカウントの技術的権限の一部を自主的に放棄したが、Wikimedia Foundationにおける公的地位と編集者としての立場には影響しないと説明。また、「Wales氏は社長や会長のような役職ではない。Wikimedia Foundation理事会会長はMichael Snow氏、執行ディレクターはSue Gardner氏が務めており、Wales氏は数年前から理事会名誉会長となっている。Wales氏がWikimediaのプロジェクトで最終的な編集の統括権を持っていたとする内容は間違っている」と指摘した。

 Wikimedia Foundationによると、同氏は、ライセンスフリーの画像や音声ファイルを集めたサイト「Wikimedia Commons」における性的画像の扱いで、ポリシーの策定と解釈に関する議論に携わっており、実際、先週の議論は白熱していたが、問題をはらんだものではなかったとしている。

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