ソフトバンクの孫正義代表取締役社長は2010年5月17日、総務省のICTタスクフォース「国際競争力強化検討部会(第4回)」終了後の囲み取材で、ICTタスクフォースの「光の道」整備の在り方検討作業チームが5月14日に示した「『光の道』構想実現に向けて(基本的方向性)(案)」についての意見を述べた。孫社長は方向性案の内容について「非常によくまとまっている。今後いかに実行していくかが大事だ」と評価した。一方、NTTの経営形態などを今後1年かけて検討するとした部分については、「1年は長すぎる。これから半年で方向性を決めて、2011年の年明けには実行フェーズに入るべきだ」と指摘した。

 NTT東西地域会社のアクセス部門を統合し、アクセス回線会社を構造分離した場合には「アクセス回線会社に取締役の一員として参加するくらいの気持ちはある」と意気込みを示し、「KDDIの小野寺社長やNTTの三浦社長、イー・アクセスの千本会長などにも社外役員として参加してもらい、ガバナンスを効かせるくらいでないと中立性は保てないのではないか」とコメントした。

 また、ICTタスクフォースの事業者ヒアリングで孫社長が提案した「公費を使わずに月額1400円のFTTHサービスを提供する案」については、「維持費の高いメタル回線をFTTHに置き換えることで実現可能」と従来の説明を繰り返した。この案に対して懐疑的な意見が多いことについては「ITジャーナリストとの対談などで、根拠については十分に公開している。批判する前にこうした情報をしっかり見てほしい」と、一方的な批判をけん制した。