米Googleは米国時間2010年5月14日、地図表示/検索サービス「Google Maps」の「Street View」機能用に使う画像を撮影する車両が一部個人データを入手していたことを認め、謝罪した。ドイツのデータ保護関連当局の要請に応じて再調査したところ、Wi-Fiネットワーク経由でやりとりされる情報も収集していたという。

 同社は4月27日のブログ投稿記事ではこれを否定していた。Street View車両は、道路から見える風景を撮影するほか、位置ベースのサービス強化を目的としてWi-Fiネットワーク情報も収集しているが、対象はSSIDデータ(ネットワーク名など)やMACアドレス(ルーターの固有番号など)であり、違法性はないと説明。また、ネットワークを通じてコンピュータ間で送信されるペイロードデータは収集していないとしていた。

 しかし今回、収集データをすべて調べたところ、パスワード保護されていないWi-Fiネットワークからペイロードデータを誤って収集していたことが分かった。Googleはこれが意図的なものではなく「単なる手違い」だったと釈明している。加えて、これらのデータを同社製品に利用したことはないと強調した。

 同社は、今回の件でプライバシーの懸念が高まる可能性があることから、今後Street View車両でWi-Fiネットワークデータをいっさい収集しないことを決定した。

 Googleの声明を受け、米国の消費者保護団体Consumer Watchdogは、「今回の事件はGoogleにプライバシーへの配慮が欠如していることを示している」と批判した。

[Googleの公式ブログ]
[Consumer Watchdogのプレスリリース]