NTTレゾナントは2010年5月17日、同社のWebメール「gooメール」の機能やユーザーインタフェースを簡素化したシンプル版をテスト中であると発表、テスト中の画面も公開した(gooメールからのお知らせ)。3月末にgooメールを全面刷新した直後から、不具合が相次いでいることを受けた措置。同社は「現在、5月末の提供に向けて、全力で開発に当たっている」と説明している。

 シンプル版はAjaxなどの複雑な処理を減らし、HTMLを基本に画面を設計。「わかりやすいシンプルなユーザインターフェース」「解像度が低いお客様にも使っていただける」「様々なインターネット利用環境で利用していただける」という三つの方針で開発しているという。公開したテスト環境は、パソコンが富士通製FMV-BIBLO NCVII20、OSがWindows 98、プロセッサが動作周波数200MHzのPeniumなど。

 NTTレゾナントは3月31日にgooメールを全面刷新したが、直後から不具合が多発。メールを表示するまで長時間を要する、未開封のメールのチェックボックスを選択しただけでメールの内容が表示(プレビュー)されてしまう、件名や送信元アドレスが文字化けするといった苦情が、ユーザーから多数寄せられた。

 同社は「動作が重くなり表示しづらいといった不具合を最も早く解決する手段として、シンプル版を一刻も早くリリースする」と説明している。

 同社Webサイトには、旧版へ戻してほしいという要望が多数寄せられている。これに対しては「リニューアルのポイントは、ユーザーから最も要望が多かったメール保存容量の拡大。旧版はメール保存容量を拡大できる構造ではなかった」(同社)。旧版のメール保存容量は25Mバイト。これを無料版は2Gバイトに、有料版は5Gバイトに、それぞれ増強した。刷新に当たり、旧版と新版の平行運用はしていなかったという。