写真 中期経営計画の内容を説明する和崎社長
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図 中期経営計画を実現するための戦略
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 WOWOWは2010年5月14日、2014年度までの中期経営計画の概要を発表した。代表取締役社長の和崎信哉氏が決算発表会見で、その内容を説明した(写真)。WOWOWは2008年1月に、2009~2011年度の3カ年を対象にした中期経営計画を発表している。しかし、この中期経営計画の発表後、2011年度以降にBSデジタル放送へ新規参入する委託放送事業者の顔ぶれが決まったり、米国発の金融恐慌が発生したりといった事象があった。「現在の中期経営計画ではこれらを考慮していないため、改めて中期経営計画を策定した」(和崎氏)という。

 今回の中期経営計画の目標としては、2014年度末の累計正味加入件数285万件と連結売上高780億円の達成を挙げた。WOWOWは2014年度における有料放送市場の規模を1425万契約と推計している。このうち20%相当をWOWOWの加入者にすることを目指す。なお2014年度の売上高経常利益率は11.5%と、「これまでで最高の数値」(和崎氏)にすることを狙う。

 目標達成に向けて、コンテンツのさらなる充実を目指す。年間で日本ファーストランの番組(映画を除く)を1800本以上(2009年度の実績は約1200本)、映画を800本以上(同約650本)、放送する方針である。さらにオリジナルのドラマおよびドキュメンタリーを年間125本以上(同約100本)制作する。これらの番組を、2011年10月頃から三つのハイビジョン放送のチャンネルで視聴者に提供する。さらに自社のカスタマーセンターの運営を強化して、加入者の声を番組やサービスに反映する。さらに3D放送や、携帯端末などの新しいメディアへのサービスにも積極的に取り組む。

 さらに中期経営計画を実現するための戦略として、「コンテンツ戦略」「メディア戦略」「CRM戦略」「グループ事業戦略」「グローバル戦略」の五つを挙げた(図)。コンテンツ戦略は、世界中からコンテンツを調達して加入者に届けたり、オリジナル番組を世界に発信したりするための取り組みである。メディア戦略では有料放送サービスを中核にしつつ、クロスメディアによる加入者拡大などを目指す。

 CRM戦略は、WOWOWと加入者および加入者同士のコミュニケーション活性化に加えて、今後のWOWOWブランドの確立を目的とする。グループ事業戦略は有料放送の特性を生かしたグループ全体の成長を、グローバル戦略はオリジナルコンテンツの制作を軸にした世界規模でのブランド展開を進めるための施策である。

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