写真1●米Red Hatエグゼクティブ・バイスプレジデント兼グローバルセールス/サービス/フィールドマーケティング プレジデントのアレックス・ピンチェフ氏
写真1●米Red Hatエグゼクティブ・バイスプレジデント兼グローバルセールス/サービス/フィールドマーケティング プレジデントのアレックス・ピンチェフ氏
[画像のクリックで拡大表示]
写真2●米Red Hatエグゼクティブ・バイスプレジデント プロダクト・アンド・テクノロジーの ポール・コーミア氏
写真2●米Red Hatエグゼクティブ・バイスプレジデント プロダクト・アンド・テクノロジーの ポール・コーミア氏
[画像のクリックで拡大表示]

 レッドハットは2010年5月13日、米Red Hatのセールス部門最高責任者であるアレックス・ピンチェフ氏(写真1)、および技術部門の最高責任者ポール・コーミア氏(写真2)の来日に伴う事業説明会を開催。日本市場の動向と、クラウドコンピューティング分野における技術戦略を解説した。

 ピンチェフ氏はまず、同社の日本市場での業績に言及。「2008年3月から2010年2月の2年間、当社の日本市場での売上成長率は58.5%だった」と述べ、好調をアピールした。また、日本でのトピックとして、東京証券取引所の株式売買システム「アローヘッド」に同社のRed Hat Enterprise Linux(RHEL)が採用された事例を紹介し、「今、RHELなどOSSの主要市場が、ファイルサーバー/Webサーバーからミッションクリティカルなシステムへ移行してきている」と説明した。

 続いて登壇したコーミア氏は、クラウドコンピューティング分野における同社の技術戦略を説明した。「当社が目指すのは、プライベートクラウドとパブリッククラウドが混在する環境で、アプリケーションをシームレスに利用できるようにすることだ」(コーミア氏)。このビジョンを実現するのが、OSSプロジェクト「δ Cloud(デルタクラウド)」で開発中のミドルウエア「Cloud Engine」だ。Cloud Engineは、Amazon EC2、VMware ESX、RHELが搭載するKVMなどがそれぞれ持つAPIを、共通のAPIに変換する。各社のクラウドプラットフォームのAPIを共通化することにより、ユーザーはプライベートクラウドで運用していたアプリケーションを、簡単に外部のパブリッククラウドへ展開できるようになる。

 さらに、「Cloud Engineでは、アプリケーションの認証の仕組みも異種クラウド間で移行できるので、サブスクリプション契約で利用しているアプリケーションであっても、外部のクラウド上で運用することが可能になる」(コーミア氏)。Cloud Engineが製品化される時期は未定だが、「3~4カ月後には仕様が固まる」(ピンチェフ氏)という。

■変更履歴
記事公開当初、本文第2段落で「2010年2月期、当社の日本市場での売上成長率は58.5%だった」としていましたが、これは「2008年3月から2010年2月の2年間、当社の日本市場での売上成長率は58.5%だった」の誤りです。お詫びして訂正します。本文は修正済みです。 [2010/05/13 18:30]