ドイツSAPと米Sybaseはそれぞれ現地時間2010年5月12日、SAPがSybaseを買収することで両社が最終合意に達したと発表した。合意条件のもと、SAPの米国子会社SAP Americaが株式公開買付(TOB)を実施し、Sybaseのすべての発行済み普通株を1株当たり65.00ドルで買い取る。買収総額は約58億ドルにのぼる見込み。

 SAPはSybase買収により、さまざまな製品ラインと市場においてシナジー効果が期待できるとしている。Sybaseのモバイルプラットフォーム技術を利用することで、モバイル向けソリューション提供を加速化し、インメモリーコンピューティング構想を推進するとともに、SAPソフトウエアの普及促進を図る。

 SybaseはSAPのインメモリーデータベース技術により分析機能を高める。SAPが事業を展開している市場や業界向けに複雑なイベント処理および解析能力を提供していく。

 買取価格の65.00ドルは、Sybaseの過去3カ月の平均株価に44%プレミアを付けた金額である。取引は現金で行われ、2010年第3四半期に完了する見通し。

 買収後、SybaseはSAP傘下の独立会社として運営される。現在の経営チームが引き続き同社経営に当たる。

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