写真●日本ユニシスの籾井勝人社長
写真●日本ユニシスの籾井勝人社長
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 日本ユニシスは2010年5月12日、2010年3月期決算説明会を開催した。売上高は2710億8400万円(前の期比12.6%減)、営業利益は71億500万円(同55.3%減)と大きく落ち込んだ。「景気の不透明感は強く、製造業を中心にIT投資に慎重だった」(白鳥恵治上席副社長)。当期純利益は36億2600万円(前の期は88億1900万円の赤字)を確保した。

 売上高構成別では、アウトソーシングなどのサービス分野が2045億600万円(同11.8%減)、ソフトウエア分野が281億4900万円(同12.6%減)、ハードウエア分野が384億2900万円(同16.5%減)だった。構成別の営業利益は公表していない。

 2010年度(2011年3月期)の成長戦略として、籾井勝人社長は「システムインテグレーションとクラウドコンピューティングを融合した“サービスインテグレータ”事業の強化」を挙げる。クラウドなど新サービス事業の売上高は2010年3月期は約2億円だが、2011年3月期には28億円に拡大させる計画だ。

 競争力を高めるために、今年4月に製販一体型の組織に変えたことも明らかにした。約2300人のエンジニアを金融や製造・流通などの営業部門に異動させ、顧客の要望を素早くシステムやサービスの開発に反映できるようにした。

 これらの取り組みにより2011年3月期は、増収・営業増益の予算を組む。売上高は2800億円(2010年3月期比3.3%増)、営業利益は90億円(同26.7%増)を見込む。2010年3月末時点で同社は1882億円の受注残を抱えているが、「(2010年度の)下期から順次、売り上げに反映されていく」と籾井社長はみている。

■変更履歴
記事公開当初、構成別の営業利益の概算を掲載していましたが、正しい数字ではなかったため削除しました。お詫びして訂正します。本文は修正済みです。 [2010/5/12 19:35]