米Nielsen Norman Groupは米国時間2010年5月10日、米Appleのタブレット型コンピュータ「iPad」の使い勝手について調査した結果を発表した。第一印象は「すばらしい」と感じるが、どこを触って操作すればよいか分かりにくく、初期のiPadアプリケーションはデザインの一貫性に欠けると指摘している。

 iPadで34種類のアプリケーションおよびWebサイトにアクセスした結果、これまでのWeb利用経験で得たスキルがそのままiPadアプリケーションの操作に通用しないことが分かった。また、一つのiPadアプリケーションの操作に慣れても、必ずしも別のアプリケーションで同様に操作できるとは限らない。

 例えば、ロゴなどの画像にタッチした際、アプリケーションによって反応は5種類に分かれる。「何も起こらない」「拡大表示される」「より詳細な情報のWebページへ移動する」「別の画像に切り替わる」「ポップアップでナビゲーションメニューを表示する」という具合だ。

 また、iPadアプリケーションのユーザーインタフェースには隠れている機能が多く、うっかりタッチして思いがけない機能が動作することもあり、ユーザーをさらに混乱させる。共通の「undo(取り消し)」機能が無いため、元の状態に戻すことにも苦労する。

 Nielsen Norman Group主席のJakob Nielsen氏は「17年前のWebデザインの再現だ」と述べる。同氏は、「当時Webデザイナーが描くことができたものはなんでも、意味があろうと無かろうと、ユーザーインタフェースになった。iPadで表示してタッチできるものはどれもユーザーインタフェースになり得る。基準もなく、予測もつかず、ユーザーは、どうすればよいか、どんなオプションがあるか分からない」と説明した。

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