セキュリティベンダーのフォティーンフォティ技術研究所(FFR)は2010年5月10日、企業向けのウイルス対策ソフト「FFR yarai 脆弱性攻撃防御機能」を6月9日から発売すると発表した。同社が従来から販売していたウイルス対策ソフト「FFR yarai」の廉価版で、パターンファイルを使わず、プログラムの振る舞いからウイルスを検出する製品となる。製品発売に先立ち、FFRでは5月12日から東京ビックサイトで開催される「情報セキュリティEXPO」のAITブース(西4-56)で、同製品の製品候補版(RC版)を先着300名に提供する予定だ。

 「FFR yarai 脆弱性攻撃防御機能」は、FFR yaraiが備える4種類のエンジンの一つ「0-Day保護(ZDP)エンジン」のみを切り出したもの。ZDPエンジンはパソコン上のプログラムの動きを監視して、未知のぜい弱性に対する攻撃の検出に特化したエンジンである。OSの機能を呼び出すシステムコールなどをチェックしている。ちなみに既存製品のFFR yaraiはZDPエンジンのほかに、プログラムのコードを静的解析するエンジンや仮想環境でプログラムの挙動を確認するエンジン、ウイルスが頻繁に実行する動作を検知するエンジンを搭載している。

 「FFR yarai 脆弱性攻撃防御機能」は1年単位のサブスクリプションライセンスとなっており、1ライセンス当たりの価格はユーザー数が5~99の場合で3600円、ユーザー数が100~499の場合で3000円、500ユーザー以上の場合でオープンとなっている。対応OSはWindows Server 2003、Windows 7/Vista/XP。なお、企業ユーザーが購入して自社のクライアントパソコンなどで利用するだけでなく、今後はセキュリティ運用監視サービスを提供している企業が自社の顧客向けに導入したり、他社のソフトウエアに「FFR yarai 脆弱性攻撃防御機能」を組み込んで提供したりするなどのOEMも予定しているという。