フィンランドのNokiaは現地時間2010年5月7日、同社の特許5件が米Appleに侵害されたとして、米ウィスコンシン州の連邦地方裁判所に提訴したと発表した。Appleのスマートフォン「iPhone」と、新型タブレット端末「iPad」の3G通信対応モデルに問題の特許が使用されていると主張している。

 iPhoneは2010年1~3月期に875万2000台を売り上げ、四半期ベースで過去最高の販売台数を記録した人気商品。iPadは米国で4月3日に発売し、同月末までの28日間で100万台を販売している。Nokiaが問題としているiPadの3G通信モデルは、米国で4月末に販売を始めたほか、日本を含む海外9カ国で5月28日に販売開始する予定(関連記事:ソフトバンクがiPadの料金プラン発表、月額2910円の定額プランと1GB当たり4410円のプリペイドプランを用意)。

 Nokiaはこれらの機器で、音声/データ通信、アプリケーション内位置データ、アンテナ構造などに関する特許が侵害されたと主張している。こうした技術は、Nokia製品の性能/設計に貢献する重要な技術だとしている。とりわけアンテナ構造に関する技術は、筐体内のスペースを節約し、小型機器の実現に寄与しているという。

 「Nokiaのイノベーションが非合法に使用されており、これをやめさせる。我々の先駆的な開発の成果を守るためのこの措置をとった」と同社はコメントしている。

 Nokiaは2009年10月、同社の10件の通信関連特許がiPhoneに侵害されたとして米デラウェア州の連邦地裁に提訴している。これに対し、Appleは同年12月11日にNokiaを13件の特許侵害で反訴した。これを受けNokiaは同月、7件の特許侵害でAppleに対する訴訟をITCに申し立てている(関連記事:米国際貿易委、Appleの要請に応じてNokiaの特許侵害を調査へ)。

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