Ubuntuコミュニティは2010年4月29日(現地時間)、Linuxディストリビューションの長期サポート版「Ubuntu 10.04 LTS」 (開発コードLucid Lynx)を正式リリースした。デスクトップ版では起動を高速化したほか、ソーシャルサービスやインターネットから音楽を購入できる「Ubuntu One Music Store」対応を強化。サーバー版はクラウド機能を強化した。

 Ubuntuは,英Canonicalが支援するUbuntuコミュニティによって開発されているLinuxディストリビューション。LTSはLong Term Supportの略。デスクトップPC向けは3年,サーバー向けは5年と長期間のサポートを提供する。10.04 LTSは、長期サポート版としては2008年4月にリリースされた8.04 LTS以来2年ぶりとなる。

 デスクトップ版では、オンライン音楽販売サービス「Ubuntu One Music Store」を、音楽プレイヤー「Rhythmbox」に統合した。数百万曲をUbuntuデスクトップから購入することができるという。また「MeMenu」という「Gwibber」をベースにしたツールにより、TwitterやFacebookなどのソーシャルサービスにデスクトップからアクセスできる。

 サーバー版ではUbuntuを仮想化環境で利用するためのUbuntu Enterprise Cloudを改良。Amazon Web Service互換クラウド基盤オープンソース・ソフトウエアであるEucalyptus 1.6.2をベースとしている。

 また同時にリリースされたネットブック版(Netbook Edition)は、SSD環境での起動を高速化したという。

 Ubuntu 10.04 LTSは、Ubuntu公式サイトから無償でダウンロードして使用できる。現時点で、ダウンロードページで配布されているCDイメージを使って、日本語のデスクトップ環境をインストールすることが可能。ただし、CD起動では、完全な日本語環境は利用できない。日本のコミュニティであるUbuntu Japanese Teamでは、CD起動での日本語サポートと、Japanese Teamで作成している追加パッケージを含む「Ubuntu 10.04 Desktop 日本語 Remix CD」(x86版)をゴールデンウイーク中にリリースする予定としている。

◎関連リンク
Ubuntu 10.04 LTS リリース | Ubuntu Japanese Team