写真●Amazon EC2の管理ツールで、仮想マシンの起動場所として「Asia Pacific(Singapore)」が選択可能になった
写真●Amazon EC2の管理ツールで、仮想マシンの起動場所として「Asia Pacific(Singapore)」が選択可能になった
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 米アマゾン・ウェブ・サービシズ(AWS)は2010年4月28日(米国時間)、IaaS(インフラストラクチャー・アズ・ア・サービス)用のデータセンターをシンガポールで運用開始した。「Amazon EC2」や「Amazon S3」などのサービスが利用可能。同社は2010年中に、アジア地域でデータセンターをもう一カ所開設する予定だ。

 AWSが運用するデータセンターはこれで、米国東海岸、同西海岸、アイルランド、シンガポールの4カ所になった(写真)。Amazon EC2の仮想サーバー利用料金は、米国東海岸が最も安く、それ以外のデータセンターはやや高めである(Linuxの場合)。データ転送料は、シンガポールのみ、それ以外のデータセンターと比べて25%~50%高めになっている。日本のユーザーがシンガポールのデータセンターを利用する場合は、従来の北米データセンターと比べて遅延が半分程度になることが期待される一方、料金はやや高めになりそうだ。

 シンガポールのデータセンターから提供されるサービスは、仮想マシンサービスのAmazon EC2やストレージサービスのAmazon S3、データベースサービスの「Amazon SimpleDB」と「Amazon RDS」、メッセージキューサービスの「Amazon SQS」と「Amazon SNS」など。Amazon EC2の付帯サービスも、外付けディスクサービスの「Amazon EBS」のほか、ロードバランサー、オートスケーリング、固定IPアドレスなどのサービスが利用可能だ。

 シンガポールのデータセンターは、電源系統やネットワーク系統が異なる2つの「Availability Zone」に分割されており、ロードバランサーや固定IPアドレスのサービスと組み合わせることで、一方のゾーンがダウンした場合でも仮想マシンを運用し続けられる。