NTTドコモの山田隆持社長は4月28日、決算会見で米アップルのiPad用の小型SIMカードを発売する意向を明らかにした。iPadは国内で5月末に発売となるタブレット型端末で、一部機種は第3世代携帯電話(3G)の通信機能を備える。対応エリアの広さと通信の安定度に定評があるNTTドコモが小型SIMを提供することで、iPadの人気に拍車がかかりそうだ。

 山田社長は、相手のある話と断りつつも「アップルがiPadを発表した1月27日には、SIMロックフリーとしていた」として、iPadのような高級ネットブックでNTTドコモの回線を利用したいというユーザーがいれば提供すると宣言した。従来、iPadに納めるSIMカードはmicroSIMカードと呼ばれていたが、NTTドコモはその名称が正しくは「ミニSIM」であると説明。販売に向けた準備を着実に進めている様子を伺わせた。

 会見では、人気が高まりつつあるスマートフォンについても触れ、4月1日に発売したXperiaが「20日を経過せずに10万台を超えた」(山田社長)と好調ぶりをアピールした。2010年度のスマートフォン市場は日本国内で300万台になると展望しており、NTTドコモはその3分の1を占める100万台を目標に据える。XperiaはAndroid OSのバージョンを2.1にアップデートする予定も明らかにした。

 12月から実用化する次世代通信方式のLTE(long term evolution)については、東名阪地域からエリア展開を進め、今年度内には約1000の基地局を設置する。通信速度は5MHzの周波数の幅を使い、下り最大37.5Mbps。屋内の一部エリアでは10MHzの周波数の幅を使うことで最大75Mbpsとなる。当初はデータ通信カードを投入し、2011年からは携帯電話の対応も進める。