写真1●新Integrityサーバーをお披露目する日本ヒューレット・パッカードの小出伸一社長(写真右)とインテルの吉田和正社長(同左)
写真1●新Integrityサーバーをお披露目する日本ヒューレット・パッカードの小出伸一社長(写真右)とインテルの吉田和正社長(同左)
[画像のクリックで拡大表示]
写真2●基幹向けの「HP Integrity Superdome 2」はブレード単位で最大64CPU/256コアまで拡張可能
写真2●基幹向けの「HP Integrity Superdome 2」はブレード単位で最大64CPU/256コアまで拡張可能
[画像のクリックで拡大表示]
写真3●Superdome 2のブレード間は冗長化したクロスバー・スイッチ・モジュールで接続
写真3●Superdome 2のブレード間は冗長化したクロスバー・スイッチ・モジュールで接続
[画像のクリックで拡大表示]
写真4●CPUの利用権をオンラインで購入、別きょう体や別サイトに移動可能
写真4●CPUの利用権をオンラインで購入、別きょう体や別サイトに移動可能
[画像のクリックで拡大表示]

 日本ヒューレット・パッカード(HP)は2010年4月27日、同社のUNIXサーバー機「Integrity」シリーズを刷新した(写真1)。基幹向けのフロアスタンド型「Superdome 2」をはじめ、ブレード型およびラックマウント型の3モデルで米IntelのItanium 9300番台を採用して基本性能を強化。複数のブレードを結合してSMP構成とする機能を用意することで「ミッションクリティカルと変化への柔軟性というクラウドの要件の両方に対応できる」(小出伸一社長)。

 新Integrityシリーズの目玉は、「セルブレード・アーキテクチャ」を採用したSuperdome 2だ。従来のブロック単位で最大32CPU程度のSMP構成とし、これを4台クロスバー・スイッチで結んでスケールアップする一般的な手法を採用せず、ブレード型に似た構成に変更した。

 Superdome 2は、230Gビット/秒のクロスバー・スイッチ「HP クロスバーファブリック」を介して、4コアItanium 9300番台を2基搭載するブレード(写真2)をエンクロージャ当たり8枚、さらに4エンクロージャを結合して64CPU/256コアの構成(ccNUMA)にまで拡張できる。エンクロージャ内でのブレード結合機能は日立製作所やHPCシステムズが提供しているが、基幹サーバーでの採用はこれが初めて。

 ブレード型にクロスバー・スイッチを組み合わせるアーキテクチャを採用したことで、物理パーティショニングの単位をブロック単位からブレード単位に細分化でき、性能向上の手法としてスケールアウトとスケールアップを柔軟に組み合わせられる。また構成要素のブレード単位への細分化、クロスバーファブリックによる伝送路冗長度の向上などにより、信頼性を450%改善したとする(写真3)。

 構成変更の柔軟性を費用面で実現するために、CPUの利用ライセンスも一新した(写真4)。メインフレームでは一般的な利用時まで課金が発生しないCPU課金に加えて、一時利用ライセンス、およびライセンスを別きょう体や別サイトに付け替えられる「GiCAP(Global Instant Capacity)」をメニューに追加。「CPUライセンスの最適化に加えて、ソフトウエア・ライセンスも最適化できる」(ビジネスクリティカルシステム事業本部製品マーケティング本部製品企画部の山中伸吾プロダクトマネージャー)。

 Integrityシリーズが対応する同社のUNIX OS「HP-UX」の課金については、従来のCPUコア課金からソケット課金に改めた。例えばクアッドコアCPUを2機搭載するサ-バー機ではライセンス費用が半減する。

 同じくCPUにItanium 9300番台を採用したブレード型のBL860c i2/870c i2/890c i2は、ブレード間を結合してSMP機とする機能を用意。今後提供予定のアップグレードキットにより、BL860c i2を4枚束ねて8CPU/32コア機のBL890c i2相当にスケールアップできる。物理パーティショニングへの対応も予定する。

 価格は個別見積もりだが、最小構成時の参考価格は以下の通り。フロアスタンド型のSuperdome 2が2841万3000円から。ブレード型で最大2CPU/8コアのBL860c i2が168万9450円から、同最大4CPU/16コアのBL870c i2が748万4400円から、同8CPU/32コアのBL890c i2が1633万3800円から。ラックマウント型のrx2800 i2が152万4600円から。