写真1●シトリックス・システムズ・ジャパン マーケティング本部の竹内裕治担当部長
写真1●シトリックス・システムズ・ジャパン マーケティング本部の竹内裕治担当部長
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写真2●マイクロソフト コマーシャルWindows本部の中川哲本部長
写真2●マイクロソフト コマーシャルWindows本部の中川哲本部長
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 マイクロソフトは2010年4月26日、VDI(Virtual Desktop Infrastructure)と呼ばれるデスクトップ仮想化の分野において、シトリックス・システムズ・ジャパンと共同キャンペーンを実施すると発表した。マイクロソフト製品とシトリックス・システムズ・ジャパン製品の組み合わせを格安で提供し、先行するVMware社に2社が協力して対抗していく。

 2社が発表したのは「VMware VDIユーザー向け無償プログラム」。米VMwareのVDI製品「VMware View」を利用中で、マイクロソフトのクライアント・アクセス・ライセンス「Microsoft Core CAL/Enterprise CAL」を契約しているユーザーに対して、デスクトップ仮想化製品「Microsoft Virtual Desktop Infrastructure Standard Suite」と「Citrix XenDesktop VDI Edition」のライセンスを、1社あたり最大500本まで無償で提供する。「VMwareのデスクトップ仮想化環境に満足していないユーザーに対して、当社とマイクロソフトの製品による最適な環境へ乗り換えてもらおうというのが狙い」(シトリックス・システムズ・ジャパン マーケティング本部の武内裕治担当部長、写真1)。

 VMware Viewを利用していないユーザーに対しても、「VDIクイックスタート」というプログラムを実施する。これは、同じ「Microsoft Virtual Desktop Infrastructure Standard Suite」と「Citrix XenDesktop VDI Edition」を組み合わせたライセンスを、通常価格の半額以下で提供するというもの。こちらも「Microsoft Core CAL/Enterprise CAL」を契約していることを前提に、最大250ユーザーまで1台当たり3916円(年額、参考価格)と、通常価格8856円よりも大幅に値引きする。

 同時に、マイクロソフトは仮想デスクトップ用クライアントOS単体のライセンス改定も発表した。7月1日から、Windows Software Assurance(SA)契約だけで、仮想デスクトップ環境でのWindows OS利用が可能になる。これまで、Windows SA契約ユーザーが仮想デスクトップを使用する場合には、「Virtual Enterprise Centralized Desktop for Software Assurance(VECD for SA)」のライセンスが必要だった。VECD for SAの提供は6月30日で終了する。

 Windows SAは、契約期間中にリリースされた新バージョンへの無償アップグレード権や各種サポートを提供するオプション。今回、Windows SAが提供する権利に、サーバー上で集中管理された仮想デスクトップの使用権とリモートアクセス権が追加された。これにより、Windows SAユーザーは、追加でライセンスを購入することなく、仮想デスクトップ環境でWindows OSを利用できるようになる。同社コマーシャルWindows本部の中川哲本部長(写真2)は、「VECD for SAのライセンス価格は、1ユーザーあたり年間2748円。7月以降これが不要になるので、仮想デスクトップ環境を利用するための費用が実質約30%削減できる」と説明した。

 また、Windows SAを契約していないユーザー向けには、仮想デスクトップ用クライアントOSライセンスとして、7月1日から「Windows Virtual Desktop Access(VDA)」を提供する。VDAは、これまでWindows SA未契約ユーザーに提供していたVECDに置き換わるもので、VECDより約10%低価格だという。