写真●GALAXY Sの画面。アイコンのデザインはカスタマイズしているが、操作性はAndroid 2.1そのものである
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写真●GALAXY Sの背面。「with Google」の文字がある。Samsung製の“Googleケータイ”である
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写真●台湾HTC製のNexus OneとGALAXY Sの比較。4インチのディスプレイを搭載するため縦横のサイズは大きいが、GALAXY Sの方が薄く軽い
写真●台湾HTC製のNexus OneとGALAXY Sの比較。4インチのディスプレイを搭載するため縦横のサイズは大きいが、GALAXY Sの方が薄く軽い
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 サムスン電子は2010年4月23日、都内でスマートフォンに関する説明会を開催し、Android搭載端末「GALAXY S」などを日本の報道陣向けに公開した。GALAXY Sは韓国サムスン電子が2010年3月に、米国の展示会CTIA Wireless 2010(関連記事)で発表したスマートフォンだ。日本での発売は未定であるが、注目に値するハイスペックな端末だ。その第一印象を報告する。

 同社は独自OS「bada」を搭載した「Waveシリーズ」を発表済みだ。Waveシリーズは同社が最も力を入れる看板スマートフォンである。ただし、同社の最もハイスペックな端末はAndroid搭載のGALAXY Sである。同社はGALAXY Sを「フラグシップ」と表現している。「iPhoneに真っ向から勝負を挑む」(説明を担当したサムスンテレコムジャパンのオウ・チャンミン氏)。

 同機種は、サムスン電子の半導体、ディスプレイ、実装技術を投入したショーケースのような端末といえる。4インチWVGAと大きなスーパー有機ELディスプレイ(SUPER AMOLED)と、1500mAhのバッテリーを搭載しながら、本体は64.2×122.4×9.9mm、重量118gと薄く、軽い。手にすると、ディスプレイの大きさに比べて軽量なため、違和感を感じたほどだ。なお、iPhone 3GSは約135g、ソニー・エリクソンXperiaは約139g、台湾HTCのNexus Oneは約130gである。ディスプレイは同社が自慢するだけあって鮮明である。色彩コントラストが非常に高く感じられる。

 搭載するOSは最新版のAndroid 2.1である。心臓部として、他のハイエンドAndroidスマートフォンの多くが米QualcommのSnapdragonを搭載するのに対し、GALAXY Sはサムスン電子製C110アプリケーション・プロセッサを搭載する。最大動作周波数1GHzという点では共通だが、同社は「Snapdragonと違いベースバンド部を搭載せずアプリケーション・プロセッサとして作ってあり、性能面でより有利」と主張する。短時間試した印象では動作は軽快であった。他の機種との性能の優劣は短時間の試用では分からなかった。

 独自のアプリケーションとして、SNS、IM、Eメールを統合した電話帳「Social Hub」を載せている。各種情報を一貫して管理、操作できることが特徴としている。Waveシリーズにも同じアプリケーションが載る。

 画面デザイン、搭載アプリケーションのアイコンのデザインなどは、同社のWaveシリーズなどと似たテイストにカスタマイズしている。操作性はAndroidそのもので、他のAndroidスマートフォンと変わらない。文字入力の手法として、サムスン電子独自の「スワイプ(Swipe)」を搭載する。キーボード表示の上を指を滑らし、指の軌跡の頂点を検出し、予測変換と組み合わせて文字入力を行うというものだ。ただし、現状では日本語入力には対応していない。

 GALAXY Sの市場投入時期の詳細は明らかにしていない。「今年前半中に、欧州の一角で出す」(オウ氏)。

 WaveシリーズやGALAXYシリーズの日本市場への投入に関する質問については、同社は慎重な姿勢を崩さなかった。同社はソフトバンクモバイルとNTTドコモ向けにWindows Mobile搭載機を提供しているが「日本のケータイユーザーはハイエンドに慣れている。また日本ではブランドの認知が低い。まだまだ検討が必要だ」。その一方、投入するとすればAndroid搭載機になる可能性があることを示唆した。「日本市場では、NTTドコモのXperiaが人気を博し、ブームとも呼べる状態になっている。日本のユーザーは、独自OSのbadaより、Androidの方を受け入れてくれるのではないか」と述べた。

 サムスン電子はbadaに関してはアプリケーション・マーケットの整備を自社で行っている。Androidアプリケーションのマーケットに関しては「自社マーケットなどは特に考えていない。GoogleのAndroid Marketを利用してもらう」との考えだ。