富士通は企業向けネットワークサービス「FENICS II」において、機器間で直接通信するM2M(マシン・ツー・マシン)サービスを、2010年7月にも開始する。工作機械大手のアマダが第1号ユーザー。富士通とアマダは、この4月から、M2Mを活用して金属加工機械を遠隔監視する実験に取り組んでいる。

 富士通のM2Mサービスは、同社のデータセンターと携帯電話のデータ通信サービスを活用する。大型機器や自動販売機などに搭載した端末が送信するデータを富士通のデータセンターで蓄積し、遠隔監視などに役立てる。

 アマダは、客先に設置する金属加工機械の保守サポートを効率化するために、M2Mサービスを活用する。金属加工機械には、通信ソフトモジュールを搭載した監視用端末と通信装置を組み込む。監視用端末は、稼働情報や位置情報のデータを携帯電話のデータ通信サービスを経由して、富士通のデータセンターに定期的に送信する。アマダの保守サポートセンターのパソコンから、インターネット経由で富士通のデータセンターにアクセスし、稼働情報や位置情報を確認。機械の故障を未然防止したり、故障原因を早期に発見したりすることを狙う。

 アマダは実験を経て、2010年下期以降に国内と海外でM2Mを活用した保守サービスを展開する計画だ。富士通は、産業機械だけでなく、社会インフラや物流業界などに対してM2Mサービスを提供する。