カナダのプライバシー委員会をはじめとする10カ国の情報保護関連当局は現地時間2010年4月19日、米Googleに対して厳格なプライバシー保護を要請する書簡を送ったことを明らかにした。Googleのコミュニケーションツール「Google Buzz」が基本的なプライバシー基準および法律を軽視していると非難している。

 Googleが2月9日に発表したGoogle Buzzは、同社のWebメールサービス「Gmail」に組み込まれた新機能。ユーザーは短いコメントを投稿して手軽に他のユーザーとやり取りできる。当初Google Buzzでは、Gmailで頻繁にメールやチャットをしている相手を自動的にフォローするよう設定されていた。しかしフォローする相手のリストが意図せず公開されてしまうなどの苦情が相次いだため、ユーザー自身がフォロー相手を決定する方式に変更した(関連記事:「Google Buzz」の自動フォロー機能が廃止、プライバシ懸念の声で)。

 カナダ、フランス、ドイツ、イスラエル、イタリア、アイルランド、オランダ、ニュージーランド、スペイン、英国の当局責任者が連名でGoogle最高経営責任者(CEO)のEric Schmidt氏に送った書簡では、Googleが迅速に対応したことを認めながらも、「第一に、このように重大なプライバシーの問題を抱えたサービスがどうしてリリースされたのか、大いに懸念が残る」と述べている。「問題が見つかったらあとで修復しようという考えで個人情報を一方的に公開するやり方は受け入れがたい」と批判した。

 オンライン地図サービスの「Google Street View」機能についても同様に、のちに対処したものの、複数の国々でプライバシーの問題が発生したことを指摘した。

 同書簡では、「新サービスでプライバシーへの配慮を怠ったオンライン企業はGoogleだけではないが、オンライン世界のリーダーとしてGoogleが模範を示してくれることを望む」として、新サービスの設計に取り入れるべき最低限のプライバシー原則を提示した。

[発表資料へ]