Wi-Fiアライアンス マーケティングディレクターのケリー・デイヴィス・フェルナー氏
Wi-Fiアライアンス マーケティングディレクターのケリー・デイヴィス・フェルナー氏
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 無線LAN機器の認定作業などを行う業界団体Wi-Fiアライアンスは2010年4月20日、報道関係者向け説明会を実施した。説明会では、機器同士を直接接続する無線LANの新仕様「Wi-Fi Direct」に対応した製品が2010年中に発表されるとの見通しを示した。また、無線LANの市場動向などについても解説した。

 Wi-Fi Directは、IEEE 802.11a/b/g/nの無線通信を使い、機器同士を直接接続する方式。例えば、デジタルカメラとプリンターをつないで写真を転送、印刷したり、携帯電話内の写真をテレビに転送、表示したりできる。どちらか一方の機器がWi-Fi Directに対応していれば、もう一方は非対応でも通信できるのも利点だ。Wi-Fiアライアンスによると、既に仕様策定は完了しており、2010年中には対応製品が登場しそうだ。

2012年にはほとんどの携帯電話が無線LANを搭載

 発表会では、無線LANの市場動向や今後の展望についても解説した。これによると、近年は携帯電話への無線LAN搭載が急増。2009年に出荷されたWi-Fi対応機器の4分の1は携帯電話だったという。中でもIEEE 802.11n搭載の携帯電話が増えており、「2012年までにはほとんどの携帯電話がIEEE 802.11nを搭載するだろう」と言う。

 また、「スマートグリッドへの無線LANの活用も進む」と説明。家庭内や地域内において、企業や家庭の電力消費状況を細かく監視するスマートメーターと家電製品、電力網のネットワークをつなぐ技術として無線LANのメリットを強調した。