Google Cloud Printの概要(Googleの資料より引用)
Google Cloud Printの概要(Googleの資料より引用)
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 米Googleは米国時間2010年4月15日、クラウド環境向け印刷用Webサービス「Google Cloud Print」の開発を進めていると発表した。2010年後半にリリースするパソコン用OS「Google Chrome OS」のほか各種Web/クラウド環境からの利用を想定している。「あらゆるデバイスの、Web/デスクトップ/モバイルといったあらゆるアプリケーションから、全世界の好きなプリンターを使って印刷できるシステムの構築を目指す」と説明している。

 Google Cloud Printは印刷機能をクラウド環境上のWebサービスとして提供し、パソコン/モバイル機器用OSの印刷システムに頼らない。例えば、Google Chrome OSにはプリントスタックやプリンタードライバーなどは用意しないという。印刷を行うアプリケーションは、Google Cloud PrintのAPIを使ってプリントジョブの登録や管理を行う。印刷時のオプション設定操作などに必要なユーザーインタフェース(UI)も、Google Cloud Printから送られてくる情報をもとに構成する。印刷処理の進捗状況を知るためのステータス情報も、Google Cloud Print経由で取得できる。プリンターの共有も可能としている。

 プリントジョブを受け取ったGoogle Cloud Printは、印刷データを適切なプリンターに送る。利用できるプリンターは、新タイプのクラウド対応プリンターと従来型プリンターの2種類になる。ネットワーク接続されたクラウド対応プリンターはGoogle Cloud Printと直接通信可能で、プリンターの登録やプリントジョブの受付/管理、印刷ステータスの送信などが行える。従来型プリンターはGoogle Cloud Printと通信できないため、Googleはパソコンに通信を仲介させるプロキシーソフトウエアを用意する。現在Windows、Mac OS X、Linux用のプロキシーを開発中で、Webブラウザ「Google Chrome」に同こんして提供する計画。

 現時点でクラウド対応プリンターは存在しないが、GoogleはGoogle Cloud Printの通信プロトコルやAPIなどを公開してプリンターメーカーなどの開発作業を支援する。また、従来型プリンターをGoogle Cloud Print対応化するためのサードパーティ製通信ボックスの実現もありえるという。

 今後Googleは、アプリケーションからGoogle Cloud Printを使うのに必要な詳細情報を順次開示する。Google Cloud Printはまだ開発の初期段階にあるが、WebサイトでGoogle Cloud Printのコード関連文書を公開している。

[Google公式ブログへの投稿記事]
[Google Cloud Printの概要]